Windows 10 に関する誤解について

本日付(11月23日)の沖縄タイムスに Microsoft Windows に関するコラムが掲載されていました。そのなかで気になる部分を見つけましたので全文を書き写しました。読者の皆さん、是非ご参照ください。

平成30年(2018年)11月23日付沖縄タイムス〔大弦小弦〕

まだ1年あるとみるか。もう1年しかないとみるか…

まだ1年あるとみるか。もう1年しかないとみるか。私たちが使うパソコンの基本ソフト(OS)「ウィンドウズ7」で、仕様変更や安全対策などをしてくれる製造元のマイクロソフト(MS)のサポートが2020年1月14日で終わる‣それがどうした、と思う方がいるかもしれないが、大きな変わり目らしい。*サポートなしで使い続けると、ウィルス侵入で個人情報が漏れたり、詐欺被害に遭ったりする恐れがあるから侮れない‣不正なプログラムを仕込まれ、知らない間に自分自身が犯罪の加害者になる危険も。かつて個人の”腕試し”の傾向が強かったサイバー攻撃は組織化・高度化している‣経済界でや、新型OS「ウィンドウズ10」への移行に着手した大企業が95%なのに対し、中小企業はサポート終了の認知度が5割程度。社内のパソコン更新は結構な投資だけに早めの準備が欠かせない‣「10」は追加のウィルス対策ソフトがなくても安全性を保てるのが売り。4年以上たったパソコンは故障率の高さや起動時間の遅さで経済損失は年35万円との試算があるから、買い替えがよりお得ということか‣かくいう私もMS担当者から説明を聞くまでにサポート終了を知らなかった。恥ずかしながらデジタル情報に疎い身。まずは次の休日に量販店でパソコンめぐりをしてみようか。(西江昭吾)

*Windows OS は定期的(あるいは不定期)に Windows Update を行い、脆弱性(予期せぬ弱点)を補強するプログラムを提供しています。Windows 7 は 2020年1月14日までサポートし、その後は更新作業が行われない。そうなると脆弱性を利用したウィルスやスパイウェアに感染するリスクが桁違いに増大するということ。

上記コラムは全体として誤りはないのですが、一部誤解を招きそうな表現があります。Windows 10 にはセキュリティ機能として”Windows Defender”が標準装備され、確かにハイレベルな防御機能がありますが、あくまで”最低限の防御”であって万能ではありません。

Windows 10 は追加のウィルス対策ソフトがなくても安全性を保てる=セキュリティソフトは不要と思い込んでいるPCユーザーが意外に多いのですが、Windows Defender はポップアップブロックなどの機能は装備されていないことと、定義データベースの更新がやはり市販に比べると遅い傾向があります。ウィルスやスパイウェアは日進月歩なので、定義データベースの更新スピードが速いウィルス対策ソフトを利用するほうが無難です。

実際に Windows 10 に乗り換えた企業もほぼ例外なくセキュリティ対策ソフトを導入しています。Windows Defender の長所は”標準装備にしてはレベルが高い防御機能を搭載していること”と”動作が軽い”ことですが、それだけでは不十分だから企業はセキュリティソフトを導入しているのです。この点は個人利用でも同じであり、誤解してほしくないポイントです。

最後に Windows 10 への買い替えを検討している読者へのアドバイスですが、Windows 10 は半年に1回大型のアップデートがあり、その際にCドライブの容量が圧迫されますので、最低でも128GBのストレージを搭載したPCを購入することをお勧めします。Cドライブ容量が32GBの格安PCは大型アップデートのたびにトラブルを起こす可能性が高いので購入しないほうが無難です。個人レベルでは 2020年のサポート終了までは Windows 7 を利用しても支障はないため、焦ることなくPC買い替えを検討することをお勧めします(終わり)。