過去の “自分” が襲い掛かる恐怖

ここ数日、ブログ主はたまっていた新聞史料をチェックした際に、偶然にも興味深い記事を見つけました。令和6年11月30日付沖縄タイムス23面に「SNS心得は自己肯定感」と題し、スマートフォンアドバイザーのモバイルプリンスさんが中学生を相手に講演した小さな記事ですが、非常に参考になる内容でしたので全文を書き写しました。

彼に関しては過去に一度取り上げましたが、「専門家」としては一目置かざるを得ない人物なので、興味深く記事を読ませていただきました。読者の皆さん、是非ご参照ください。

SNS心得は自己肯定感

【与那原】与那原中学校で1,2年生向けの「SNS情報モラル講演会」が21日にあり、スマートフォンアドバイザーのモバイルプリンスさんが講演した。「交流サイト(SNS)のコンテンツは自己肯定感の低さにつけ込んでくる」と指摘。スマホ漬けにならないための心得として、自分を他人と比べようとせず、今の自分の良いところに目を向けるようにしようと呼びかけた。(南部報道部・平島夏実)

与那原中でプリンスさん講演 / 「自分を他人と比べないで」

モバイルプリンスさんは、外見だけで人の価値を判断する「ルッキズム」を「現代の呪い」と表現。画像の修正アプリなどを使ううちに「二重まぶたじゃないと駄目」「顎は細く」「足は長く」「髪はさらさらに」などと無意識に刷り込まれていると説明した。エステや美容関連、サプリなどの広告の多さも圧力になると語った。

実際、SNS上では見た目を誹謗中傷する書き込みが目立つ。モバイルプリンスさんは「『かわいい』や『きれい』という価値観は時代や国によってかなり違う」とした上で「誹謗中傷する側」のリスクに言及。「悪口を書き込み続けてきた人は、いざ自分が何か投稿したいと思った時に『たたかれないかな』と不安になって動けない。結局、悪口を延々言い続けるだけの一生を送る可能性が高い」と警鐘を鳴らした。

さらに、覚えておいてほしい言葉の一つとして「FOMO(フォーモ)」をあげた。「Fear of missing out」の略で、他人が楽しんでいる投稿を見て「自分だけ取り残されるのでは」と不安になる心理をさす。インスタグラムの機能「ストーリー」が24時間で消えるのはこまめにチェックしないとまずいと思わせる仕掛けだと指摘した。

「SNSで常に最新の情報を追いかけないといけない毎日って、いったい誰の人生を生きているんでしょうか?」モバイルプリンスさんはそう問いかけ、自分らしさを見つける大切さを説いた。

実は、SNSの専門家らしくモバイル氏は短い文章のまとめ方が非常にうまいです。試しに令和07年1月12日付琉球新報デジタルに掲載された「モバプリの知っ得(305)」の全文を書き写しましたので是非ご参照ください。

SNSの不適切投稿 モバプリの知っ得[305]

仕事場での不適切な写真をSNSに投稿し、炎上する事例が後を絶ちません。最近では解剖研修中の写真を公開した医師が批判を受け、解任される事態に発展しました。これまでは若者のアルバイト先での不衛生な行為の投稿が多かったのですが、医師が同様の問題を起こしたケースは珍しいといえるでしょう。炎上後であれば、多くの人が「そのような投稿は不適切だ」と簡単に判断できるはずです。

しかしSNSの投稿は、当初は限られた範囲の人しか見ていないことが多いため、行動の境界線が曖昧になりがちです。その結果、気が緩んで最終的に不適切な投稿につながる可能性があります。

これは投稿者の「常識の有無」というより、SNSの特性として不適切な投稿を誘発しやすいと認識して利用することが重要です。

このような失敗を防ぐには、ニュースから学び、自身の投稿も継続的に分析する必要があります。何が許容され、何が超えてはならない線なのかを常に考えることが求められます。また、自らの行動を客観的に見る「メタ認知能力【※1】を養うことも大切です。さらに、自分の行動を振り返り反省することは、健全な自己肯定感【※2】も必要不可欠です。自分の長所も短所も受け入れることで、より良い自分へと成長できるでしょう。SNSは便利なツールですが、自分が投稿することによって、見る人にどのような影響を及ぼすか不覚考えるようにしましょう。

上記引用の太字部分はたしかにその通りであり、悪乗り癖があるブログ主もSNS投稿の時は気を付けないといけないと痛感した次第であります。しかもAI回答ツールのレベルアップにより過去の不適切投稿が検索しやすくなっている現状、モバイル氏の指摘通りにSNSとはうまく付き合っていく必要があります。

それらを踏まえて、

おまえ、過去になにをつぶやいた???

と余計なツッコミを入れて今回の記事を〆ます。