【衆院選2024】政治のトレンドが変わった件(3) オール沖縄の終焉

今月27日に投開票の第50回衆議院議員総選挙(以下衆院選)の結果は既にご存じかと思われますが、我が沖縄では小選挙区では前回選挙と同じ、オール沖縄陣営(沖縄1区、2区)と国政与党勢力(3区、4区)がともに議席を分かち合う “痛み分け” になりました。

県内2紙をちら見すると「オール沖縄堅守」との題字が目に留まりましたが、実際はどう見てもオール沖縄の「敗北」なんです。理由は簡単で、オール沖縄陣営は小選挙・比例代表で合計3議席も、国政与党側は5議席獲得しているからです。しかも小選挙で負けた3区と4区の内容が悪いのです。

沖縄3区に関しては、たしかに前回7000票差をつけられましたが、今回は国政与党に対する大逆風を追い風に勝たないといけない選挙区だったはずです。しかも玉城デニー知事の地元なので、立憲民主党は全力を出し切ったはずですが、僅少差で島尻候補に逃げ切られてしまいました。

ただし3区の場合は比例での復活当選を果たしたのでまだマシです。これが沖縄4区に至っては、候補者選考のゴタゴタから分裂選挙を強いられ、金城徹候補(立憲民主党・オール沖縄共同代表)の惨敗、しかもれいわ新選組(以下れいわ)の山川仁候補が比例で復活当選という屈辱を味わってしまいます。

ハッキリいって今回の選挙の結果、

オール沖縄会議と立憲民主党のメンツが丸つぶれ

になってしまったわけであり、県議選に匹敵する惨状と言っても過言ではありません。

ちなみにブログ主が今回の選挙で最も驚かされたのが沖縄1区で、10月8日に久保田みどり氏(れいわ)が正式に立候補を表明したにも関わらず、11日に立候補を取り下げた件です。そして久保田氏の立候補に対して共産党が強烈な拒否反応を示していたのも極めて印象的です。

というのも、3年前の衆院選で沖縄2区でも同じようなことがあり、公示2日前に突如◎◎某さんが日本維新の会から立候補を表明したのです。ブログ主の知る限り、宮崎支持者の怒り狂いは半端ありませんでしたが、だからといって自民党県連や党本部から正式に不快感が表明されることはありませんでした。理由は何であれ、

いったん正式に出馬を表明したら「受けて立つ」

のが選挙制度に基づく近代デモクラシーの基本だからです。

それ故に今回の件は、共産党のれいわに対する強烈な拒否反応、そして久保田氏の立候補取り下げ、その後の山本代表のオール沖縄に対する暴言(共産党曰く)の流れを見ると、オール沖縄側から非公式に強烈な “圧” がかけられたが故の取り下げとみて間違いないでしょう。

いったん正式に立候補を表明した候補者が対立候補の猛反発を受けて取り下げる事態は、ブログ主は寡聞にして存じません。つまり「同じ土俵に上がって戦う」ことに公然と拒絶反応を示し、しかも土俵に上がる前に引きずり下ろしたわけであり、そういうことを平気でする政治団体が我が沖縄に存在することに対し、ぞっとした次第でもあります。

やはりオール沖縄は徹底した「ウチ」の政治団体です。その心は「ウチとソト」が対立した場合、迷うことなくウチ(身内の論理)を最優先にしてしまうとの意であり、令和の今日では生き残ることが難しいと確信しました。

最後に久保田候補の立候補取り下げについて、

沖縄2紙がまったくといっていいほど突っ込まなかった件

も追記して今回の記事を終えます。