今月27日投開票の第50回衆議院議員総選挙(以下衆院選)に関して、ブログ主は各政党の公約をチェックしてみたところ、面白いことに気が付きましたので、試しに当ブログにてまとめてみました。
今回の衆院選は、デフレが本格化した平成以降の選挙と違って「物価高」の中での選挙になりました。物価高の場合は原因が何であれ、政権与党は厳しい戦いを強いられますが、それに加えて「裏金問題」のマイナスイメージも絡み、自民党は極めて厳しい状況にあります。
それらの状勢を踏まえた上で各党の公約を見ると、今回の選挙のキーワードは
① ルール
② 暮らしを守る(物価高対策など)
③ 国防(外交・軍事・防災・防疫など)
になります。(なお、子育て支援・少子化対策はあえて外しています)。そして興味深いことに、生活防衛と国防はセットであると考えている政党が散見され、これは昭和・平成時代ではなかなか見ることができなかった現象だと言っても過言ではありません。
理由は簡単で、現在の物価高の原因は令和2(2020)年のコロナ禍に始まり、2年後のロシアとウクライナの戦争が長期化した結果であり、国際情勢の激変が即日常生活に直結する現実を、有権者が嫌と言うほど体験したからです。つまり適切な国防および外交政策を施すことで、国際平和の安定に寄与し、その結果日常生活を安定させるという発想が国民の間に浸透した証でもあります。
平成時代の有権者にはその認識はありません。というのもソビエト連邦の崩壊後、世界の秩序は逆に安定し、日本国民は冷戦の戦勝国民として平和と安定を謳歌できたからです。事実、ちうごくや北朝鮮の脅威も今日のような物価高には結びつかなかったですし、逆にデフレが長期化して「年金生活者の天国」が実現する有様でした。
それが令和の今日では社会情勢が全く変わってしまったのです。
ただし、どんなにきれいごとを唱えても「ルールを守らない政治家と政党はNG」であることを国民が強く要求しているのも見逃せません。自民党の裏金問題の本質は、日本組織の「ウチとソト」の問題そのものであり、ウチ(身内のルール)とソト(法令、社会秩序など)が対立した際に、無条件で「ウチ」を選ぶ体質が国民から猛反発を買った結果でもあります。
つまり「政治家だから」という例外は認められず、コンプライアンス遵守を政党が真摯に対応せざるを得ない状況になっているのです。そしてその流れは野党だけでなく、日本中のあらゆる組織が追随すべきトレンドになっていると断言できます。
大雑把にまとめましたが、ブログ主が思うに令和の政治の主流になりうる政党は自由民主党(以下自民)、立憲民主党(以下立民)、そして国民民主党です。意外にも日本共産党(以下共産)も公約をチェックする限り、生活防衛と国防はセットであるとの認識が伺えますが、いかんせんあの政党は「ウチ」が強すぎます。それに「前衛」「指導」の原理が令和の今日では時代遅れになっているのも見逃せません。
なお、公明党は「宗教政党」であり、日本維新の会は「地域政党」です。そして社民とれいわは “泡沫” であり、令和の日本において国民政党※たる資格を持つのは自民、立民、国民民主党しかなく、今後はこの3党を中心に国政は運営されていくのではと考えています。
※国民政党は「国内には階級的、人種的、差別的な対立がない」という大前提のもとに政党が結成されます。
逆に令和のトレンドから外れる存在を挙げると、「愛国保守」と「オール沖縄」があります。次回はこの点について詳しく言及します。