~廃藩置県が現代の歴史家に過小評価されている3つの理由 その1~
1つは当時の琉球人が政治・社会のドラスティックな改革を望んでいなかったからです。当時の琉球社会の上級階級である有禄の士族、あるいは廃藩置県で失業した下級士族が新政府によい感情を抱くことはありません。
実は人口の多数を占める農民たちもドラスティックな改革を望まなかったのです。廃藩置県後に上級士族に対する課税が全廃され、税負担が大幅ダウンしたことによって当時の農民は新政を大歓迎します。ただし内法*や地割制度*に代表される琉球国時代に完成した社会秩序の改革までは歓迎しなかったのです。