上級県民の一例

以前、当ブログにて「上級県民の考察」と題した記事を配信しました。今回は昭和52年(1977年)に実際に起こった出来事を例にして、ブログ主なりに上級県民の生態について言及します。

その出来事とは毎年15日に行われる那覇市主催の成人式に自衛隊員を招待しない問題で、昭和52年1月12日に自衛隊側が那覇市に対して質問状を提出したことから大問題になりました。その時の記事は以下ご参照ください。

続きを読む

琉球古代史の難問

ここ最近ブログ主は血縁カリスマの考察のために、『中山世鑑』などの史料を中心に琉球古代史についてチェックしています。よく考えてみるとブログを運営して3年経過しましたが、琉球古代史はあまり触れてきませんでした。その理由が ① 四書五経など朱子学の知識が足りないこと、② 漢文や読み下し文の史料を読みこなす力が不足していたこと、③ そしてなにより琉球古代史は地雷原そのものなので、うかつに手を触れるのは危険かなと思ったからです。

続きを読む

廣告の利益

今回も太田朝敷関連の資料を掲載します。琉球新報は明治33年7月15日から紙面を大幅に改良しますが、その2日後に「広告の利益」と題打った社説を掲載します。ブログ主はこの論説を非常に重視していますが、その理由は琉球新報社が営利を意識して新聞を発行していたことがハッキリ分かるからです。

続きを読む

寄奈良原男爵書

今回は明治33(1900)年9月17日付琉球新報の無署名記事「寄奈良原男爵書」を紹介します。奈良原繁知事在任中(1892~1908)に掲載された知事評は実に珍しく、しかも論評が極めて冷静かつ的確であり、明治時代のジャーナリストのレベルの高さと社会における言論の自由度を伺える内容となっています。

続きを読む

令和元年度 – 第48回招待試合(明石商業vs北山高校)を観戦してきたよ

本日ブログ主はコザしんきんスタジアムで開催された第48回招待試合(招待校:明石商業)を観戦してきました。今年は明石商業を相手に18日は興南高校と沖縄水産高校が、19日は北山高校と沖縄工業が対戦しました。残念ながら前日(18日)の試合は観戦することができなかったのですが、本日は第一試合の北山高校との試合を観戦してきましたので、大急ぎではありますがレポートをまとめてみました。野球好きの読者の皆さん、是非ご参照ください。

続きを読む

義本王の墓

今回は『中山世鑑』に絡んだネタで、義本王の墓について言及します。今回わざわざ国頭村辺戸のお墓を訪れた理由のひとつに、「舜天王の墓の所在は確かではないが、義本王の墓は存在しているのは何故か?」の答えのヒントが隠されているのではと思いつき、つい調子に乗って辺戸までドライブしてきました。

その前に舜天王の墓について、笹森儀助さんの証言をご参考ください。

続きを読む

血縁カリスマの考察

以前、当ブログにて我が沖縄社会は血縁を通じてカリスマが継承されるという考え方がないことについて言及しました。その際になぜ血縁カリスマの発想が生まれなかったかについては触れませんでしたが、偶然にもその理由のひとつに気が付きましたので今回記事に纏めてみました。

続きを読む

琉球新報は何事を為したる乎 – その3

●琉球新報は何事を為したる乎(承前)

◎教育に関しては前項にも述べたる通り、我輩は多く専門家に譲り、只其結果として社会に出現したる弊害に就ては随時酷と思ふ程の批評をなしたること往々これあり。その要点を一二挙ぐれば本県の教育家が外観(ミエ)を張る為めに不相当の設備をなして民力を顧みざりしこと、教育の方法が社会の要求に副はざるもの多きこと、教育家に死法に拘泥して活知識に乏しきもの多き事にして、直言の為めその反目を受けたることまゝありき。然れども諸君我輩は教育に重きを置けばこそ苦言も呈するなれ、我輩が常に教育家に向かって相当の尊敬を払ひ、鄭重の待遇をなすを見ば教育家諸君は当に我輩の微衷を諒察せらるべし。

続きを読む

琉球新報は何事を為したる乎 – その2

●琉球新報は何事を為したる乎(二)

◎一般教育に関する特別の注文は曾て本紙上に縷陳(るちん=縷述)したるもの多し。然れども差当り切に希望するものは日本国民としてのコンモンセンスの中にも最もコンモン(普通)なる感覚の養成也。此(の)感覚は本県は他府県と大に異なる所あり。而して之を一致せしめざれば感情の融和到底望むべからず。感情融和せずして国民たるの実を全ふせしむることは是れ亦(また)到底期すべからざるの事也。本県に於て国民教育の基礎となるべき知識を注入するは先づ他府県と其感覚を一致せしむるにあり。他府県と一致せざる所の感覚とは大略左の如し。

続きを読む

敗北を知りたい

本日ブログ主はひまつぶしに、宜野湾市佐真下(さました)にあるラーメン店「悠楽」でランチを済ませてきました。ブログ主は普段から麺類やパン類は食べないので基本的にラーメン屋には立ち寄りませんが、この店は大盛り定食であまりにも有名なので一度は訪れたほうがいいかなと軽い気持ちで立ち寄ったのが運のつきでした。

もちろん宜野湾市民ならこの店の噂は知っていますし、「食べログ」などのグルメサイトもチェックしたうえで立ち寄ったのですが、予想の斜め上をいくヤバさにブログ主は「敗北」を喫してしまいました。読者の皆さん是非ご参照ください。

続きを読む

琉球新報は何事を為したる乎 – その1

●琉球新報は何事を為したる乎(一)

◎新聞紙が文明の社会に於て重要欠くべからざる一機関たることは世間既に定論あり。我輩が今更喋々するの要なかるべし。然して本県の旧社会が殆んど解体して新社会未だ建設せられず万事草々人々相率ゐて以て暴乱暗黒の谷底に陥らんとする時本紙は時代の要求に応じ特別の使命を帯て生れたり。時は明治二十六年九月十五日、場所は那覇区字西の借屋なりき。

続きを読む

多和田真山さんの思い出

ブログ主は不定期ではありますが、過去の新聞や刊行物から沖縄ヤクザ関連の史料を蒐集・整理しています。その中で異彩を放つ人物はだれかと問われると、ブログ主は “多和田真山” と即答します。

続きを読む

上級県民の考察

近年インターネットスラングから一般的に認知されつつある用語に上級国民があります。平成28年(2015年)7月に端を発した東京オリンピックのエンブレム騒動がきっかけですが、平成31年(2019年)4月19日に池袋で発生した悲惨な交通事故に対するマスコミ報道がこのネットスラングを結果的に拡散させてしまうことになりました。

続きを読む

泉崎と旭町のまちがたり

先日ブログ主は那覇市泉崎にあるバスターミナルを散歩中に興味深い石碑を見つけましたので撮影してきました。「泉崎と旭町のまちがたり」と題した石碑には明治初期と現在の泉崎・旭町との対比および琉球八景図も掲載されて非常に充実した内容ですが、とりわけブログ主の目を引いたのが明治初期の那覇港の様子が描かれた『首里那覇絵図』です。説明文を書き写しましたので読者のみなさん是非ご参照ください。

続きを読む