俺が調子に乗って嘉手納vs前橋育英高校の試合の感想を語ってみるよ

第98回全国高校野球選手権第5日目の第3試合の嘉手納vs前橋育英の試合は予想外の大差で嘉手納高校が勝利しました。ブログ主は事前にTwitter上で「この試合はガチで予想できない」とつぶやきましたが、正直なところ僅差の接戦で決着がつくと予測していました。

ただし勝者の嘉手納高校と敗者の前橋育英高校とは点差ほどの力の差はありません。嘉手納高校が終始冷静さを保ったことに対して、前橋育英高校はほんの少し冷静さを失ったことが致命的な過失を招いてしまったのです。

嘉手納高校の勝因はバッテリーを含むディフェンス陣が過失を最小限に抑えてゲームを壊さなかったことです。3回裏のエラーがらみの失点も最小限に食い止め、4回裏のトリックプレーも嘉手納バッテリーが冷静に対処して3塁ランナーをアウトにし、5回裏は見事な連携プレーで1失点にとどめたことが7回の逆転劇につながります。

投手の仲地くんは県大会と同じく淡々と投球していたのが印象的です。珍しく2つの四球を与えてしまいましたが、相手打者を追い込んだあとのコントロールが抜群で8回3失点の好投でした。甲子園の初戦でこれだけ丁寧な投球ができたのは大収穫で今後の試合も期待が持てます。

打撃は県大会決勝の好調そのまま甲子園の初戦に臨むことができた感じです。外寄りの球は右狙いを徹底して、2ストライク後は長打を捨ててつなぎの打撃を心がける方針がチーム全体に浸透していました。今年の春の選抜の鹿児島実業の打撃そのものです。そして攻撃面の影のMVPは3塁コーチャーの冷静な判断力です。7回表の攻撃時にランナーの走力を冷静に判断して無理にホームに突っ込ませるような指示を出すことがありませんでした。実に見事です。

特筆すべきは今年の嘉手納高校は県外での公式戦の経験がないことです。にもかかわらず味方のミスによる失点は最小限に抑えて、終始冷静さを失わず、チャンスがくるまでじっと耐える野球は私学の強豪校の試合運びを見ているようでした。沖縄県では中頭地区の強豪校で知られていますが、全国的に無名の公立校がこれ程の試合運びを見せてくれたことに対しては感無量としか言いようがありません。

前橋育英高校は6回までは想定通りの試合運びでした。さすがは関東チャンピオンで嘉手納の仲地くんをしっかり研究していましたね。追い込まれる前のカウントを取る球を徹底的に狙わせて6回までに3得点、ここまでは思い通りの展開です。前橋育英の打者の打撃を見て「やはりこの手で来たか!」と思いましたが、誤算は投手の佐藤くんがピリッとしなかったことです。

前橋育英高校にとって不運なのは、今年の沖縄県のチームは佐藤くんタイプの投手が非常に多かったことです。佐藤君は球速は130km前半もストレート、変化球ともにコントロールがよくて試合を上手に作る好投手ですが、嘉手納高校ナインはこのタイプの投手に慣れているのです。だから制球がいまいちの場合は7回表のように一気に加点することができたのです。実際に嘉手納ナインはリードされても焦る様子がなかったですが、おそらく攻略できる確信があったのでしょうね。

勝者の嘉手納高校は現時点(8/11)では対戦相手は決まっていませんが、16日の第一試合が決定しています。中5日で休養も十分な日程でツキも感じます。今日のような試合運びを見せてくれるのであればそう簡単に負けることはないでしょうが、反省点もあります。それは序盤の外野守備と2番手投手の仲井間くんがいまいちピリッとしないことです。

9回裏に登板した左腕の仲井間くんは緊張したせいか腕があまり触れていませんでした。県大会の準決勝ではもっと速い球を投げていましたので心配です。エースの仲地くんの攻略法は確定しているため今後勝ち進む上では仲井間くんの復調がカギになるでしょう。

最後になりますが、前橋育英高校ナインの皆さまお疲れさまでした。そして嘉手納高校ナインの皆さま甲子園初勝利おめでとうございます。次の試合も勝利のために全力を尽くしてプレイしてください。ブログ主も遠い沖縄から全力で応援します。