俺が調子に乗って第140回九州地区高等学校野球大会について語ってみよう その4

本日(4月26日)は本来であればベスト4の試合が行われる予定でしたが、22日の雨天順延の影響で日程が一日ずれてしまい、休養日に割り当てになりました。ブログ主の有給申請は22日から26日までですので、明日以降の準決勝と決勝は現地観戦できません。ただし前日(25日)までに観戦予定のチームは殆どチェックできましたので、個人的には満足の5日間になりました。(例外は東海大福岡)

今回は前日にコザしんきんスタジアムで行われた沖縄尚学vs秀岳館、および美来工科vs神村学園の観戦レビューを掲載します。

第一試合 秀岳館 3-1 沖縄尚学

この試合は秀岳館の大苦戦でした。理由は沖縄尚学の左腕與座巧人くんを打ちあぐねたことです。6回まではとにかくポップフライが多くてランナーを進めることができませんでした。プラス沖縄尚学の好守備もあって攻撃面では全くいいところありませんでした。そのせいか7回表の秀岳館の攻撃前に、鍛治舎巧監督がバックネット裏まで聞こえるほどの怒号で選手に喝を入れてましたね。その後から低くて鋭い打球が出始めて8回表の逆転につながった感じです。

ディフェンス面では先発の左腕田浦文丸くんの出来が素晴らしかったです。立ち上がりはパスボールで1点献上、4回までは攻略できそうな感じでしたが、5回裏に砂川リチャードくんに対して(おそらく)チェンジアップを3球続けて三振を取ったあたりから沖尚バッターは手も足も出なくなりました。チェンジアップが各打者の脳内にインプットされてしまい、狙い球を上手に絞ることができなくなったのです。

沖縄尚学は秀岳館というチームよりは、田浦君個人の圧倒的な力量に屈した感じです。1-0でリードしているはずが、試合の終盤になるにつれて重苦しい雰囲気になってきて、8回表に同点に追いつかれた時点で心が折れてしまったように見受けられました。ただし2番手で登板した河野くんが8回のピンチを乗り切り、9回も0点に抑えて試合を建て直したのはさすが沖縄1位のチームだと感心しました。

沖縄尚学は結果的にベスト8で姿を消しましたが、河野、岡留、與座の3投手が県外の強豪相手にも通用したことが最大の収穫です。その反面ディフェンスがやや不安定な面も見受けられましたので、夏の県大会までにその点を修正する必要があります。チーム力は申し分ないので、ディフェンス面の強化とコンディション調整に失敗しない限り夏の県予選の優勝候補筆頭と言っても過言ではありません。

第ニ試合 神村学園 3-0 美来工科

この試合における美来工科の最大の敗因は疲労です。3日連続の公式戦(しかも県外の強豪)の経験がないため、選手たちの動きが明らかに重かったですね。4度ほど足がもつれて転んだシーンが象徴的でした。にも関わらず5回の3失点以外は強打の神村学園を0封したことは高く評価できます。

神村学園は、投手の俵森くんを中心にディフェンスが最後まで崩れませんでした。3-0のスコア以上に厳しい試合展開でしたが、最後は逃げ切って勝利を収めたのはチームにとっても大きな経験になること間違いありません。美来工科に比べると1試合少なかったのも大きかったです。美来工科は県大会の準決勝で負けたツケをここで払わされることになってしまいました。実に残念です。

ただし美来工科は、沖縄尚学以上に収穫の多い九州大会になりました。最大の収穫は控え選手が戦力として機能することが確認できたことです。特に2番手投手の比嘉太陽くんが神村学園との試合も先発し4回の0封、5回はスクイズと味方のエラーで3失点しましたが、期待以上の活躍および成長ぶりで真玉橋監督も大喜びかと思います。

課題は何と言っても体力面です。3日連続の公式戦で3連勝した鹿児島実業を比べると明らかに体力面で見劣りしますので、この点を夏の予選までに改善する必要があります。このチームは「甲子園に出る」という意識ではなく「いかに甲子園で勝ち進めるか」を前提に選手たちのコンディションを調整する必要性を感じました。それだけのチーム力があることは間違いありません。

以上が前日の2試合の観戦レビューになります。九州大会を観戦して痛感したのは「公式戦の経験を積むことの大切さ」です。美来工科は日程がキツい中、九州の強豪相手に2勝1敗の成績を残し、美里工業はベスト4に進出する躍進ぶりです。公式戦を体験することで選手たちは加速度的に成長するもんだと再確認しました。美来工科の比嘉太陽投手や、美里工業の吉田竜二選手あたりが代表格です。ブログ主は当初県勢の初戦敗退を予想していましたので、今回の出場校の大活躍には大満足です。夏の予選が今から待ち遠しくてたまりません。

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