空気の支配と「誘導尋問」

令和07年1月17日、フジテレビがタレントの中居正広と女性とのトラブルに関する一連の報道を受けて記者会見を行いましたが、会見の運営方法に対して厳しい “社会的制裁” が科されている件は既にご存じかと思われます。

ブログ主はこれまで中居氏に関わる報道はスルーしてきましたが、今回のフジテレビの対応については強い興味を抱きましたので、所感を当ブログにまとめてみました。

まずは中居氏のトラブルをおさらいすると、文春オンラインによれば、

「女性セブン」によると、2023年に芸能関係者のX子さんは中居、フジテレビの編成幹部A氏と3人で会食する予定だったが、A氏がドタキャン。彼女と中居は2人で会食することになったが、そこでトラブルが発生。その後、中居は代理人を介し、9000万円におよぶ“解決金”をX子さんに支払ったというのだ。

とあり、このトラブルにフジテレビの編成部長が関与したのではとの疑惑や、フジ側がトラブルを把握しておりながら云々の流れとなっており、つまり中居問題がフジテレビ問題に転化したことをうけて、フジテレビは対応を取らざるを得ない状況に追い込まれたわけです。

そしてフジテレビの会見に対して世間から猛批判が浴びせられた展開ですが、ブログ主はあの会見は(現時点で)ああするしかなかったと見ています。というのも、明らかに準備不足のフジテレビ側としては、

世間がフジテレビに対して「こうあってほしい」と思う空気

に支配されてしまうことだけは絶対に避けなければならなかったからです。

それもそのはず、フジテレビが解決しなければならないのは “中居問題” であり、中居問題の真実と世論が想定する「回答」が一致するとは限りません。つまり世論の空気に引きずられると、中居問題に付随しておこった悪評のすべてに対処せざるを得なくなるとの最悪の事態を招きかねないからです。

真実と世論の「こうあってほしい」との空気が一致しない例は、草津案件という前例があり、そして空気の支配の恐ろしさは先の兵庫県知事を巡る報道とSNSの反応からお分かりいただけるかと思われます。フジテレビとしては、今の段階では「空気」に屈するわけにはいかない、だがしかし中居問題は必ず解決させなければならないとの厳しい社会的責務が科されています。もちろんそれができなければ大企業としてアウト判定ですが、それまでは外野は大騒ぎすることなく慎重に事の次第を見守るのが最善かと確信しています。

ちなみに、フジテレビは世論に迎合する記者たちの「誘導尋問」の恐ろしさがよくわかっていて、あのような制限された記者会見になったとも見做せますが、それはつまり自分たちも過去に

同じようなことをやってきた

と自白しているようなものであります。それ故に今回の “フジ騒動” を受けて、ブログ主は「答え」があってそれに沿うように相手を追いつめる誘導尋問的な報道姿勢は、フジに限らず全マスコミは今後謹んでいかないといけないと痛感した次第であります。

最後に、今回のフジの姿勢は同業者から厳しい批判が浴びせられています。そのなかでものこのお二方が強い反応を示したことに、ブログ主はちょっとした興味を覚えつつ、今回の記事を終えます。