中国の結婚は「自由結婚」をもとにしている。
わざわざ「自由」を強調するのは、革命以前は人身売買的な結婚やいいなずけ結婚が少なくなかったからだと思います。しかし解放後は結婚観も大きく変容しています。
人口問題(八億の人口)から晩婚が奨励されている。平均、男子27‐28歳、女子25‐26歳。日本ではよく学生でも恋愛や結婚は自由に認められているのに、中国では、男女共学の学園の中にありながら、学生の恋愛や結婚は許されず、その多くは職場でということになります。そのためには、やはりお見合い結婚が普通だとのことです。
結婚式も日本風に豪華な式でなく服装もふだんと変わらない。地域や職場の集会所に仲間が集まって、二人の前途を祝い合う。料理も出さず、お茶とアメ玉程度だということです。
「自由結婚」が基本 / 伴りょは「思想」で選ぶ
「結婚」ということばが出るたびに、私はよく若い人たちに「理想の結婚相手の条件」をききましたが、中国では、その質問に対して必ず「思想です」という返事が返ってきます。日本流に考えると何ともあじけない気がしますが、しかし、やはりマルクス・レーニン主義者としての思想性の高さがすべてに優先される中国では「思想」という二字の中に、すべての理想や条件がこめられているのでしょう。
人口問題から計画産児を政策的にうち出し、子供も二人制だという。避妊薬や器具も指導員(ハダシの医者)が定期的に無料で、各家庭を回って配布する。同時に、中国共産党の思想教育と家族計画についての教育も徹底的に行なっている。
結婚の話のついでに離婚のことについてもきいてみました。
日本では、性格の不一致が離婚の代表的な理由にあげられますが、中国では通用しない。離婚の原因もやはり思想の不一致ということである。夫婦間のトラブルについても、相互の話し合いで、解決出来ない場合は、職場や地域の集会で、徹底した話し合いがなされる。それでも、一致点が見いだせない場合が、最終手段である離婚ということになる。
当人の思想性にかかわる問題として、再教育という事になるでしょう。
しかし、中国も婦人たちがいつも安定した豊かな表情を絶やさないのは、何といっても、まずは絶対といっていいほど、その夫たちが浮気をしないというところにあるのではないでしょうか。
それほど、性のモラルはきびしく、一夫一婦制以外の性関係、結婚を前提としない恋愛はまず考えられないという。(昭和50年10月16日付琉球新報夕刊02面)
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