沖縄の高校野球が突きつけられた課題

8月7日から阪神甲子園球場にて絶賛開催中の第106回全国高等学校野球選手権大会(以下夏の大会)の大会2日目、我が沖縄代表の興南高校は第一試合で大阪桐蔭(大阪府)に5-0で敗れてしまいました。

ブログ主は以前から、我が沖縄代表と大阪桐蔭が公式戦で対戦するのを熱望しており、今回は念願がかなった感ありましたが、この試合を通じて沖縄の高校野球が抱える “課題” が見えてきたので、ためしに記事にまとめてみました。

その前にブログ主の大阪桐蔭に対するイメージは、平成30年3月10日に行われた「第2回沖縄市高校野球招待試合※」で来沖した大阪桐蔭の試合を見に行って以来全く変わっていませんが、大雑把に説明すると、「とにかく基本に忠実、かつ個々の力で試合の局面を打開する選手を複数抱えている」という至って単純なもので、それ故に最強なんだなと確信しています。

※この時の大阪桐蔭は春夏連覇した強いチームですが、試合運びは極めてオーソドックス、何よりも驚いたの選手のユニフォームの着こなしや立ち振る舞い、そしてベンチからの声だしまでが「教科書通り」だったことで、当時の沖縄でここまで徹底したチームはなかったです(そして今でもない)。

ちなみに今回の対戦に関して、興南高校の負けパターンはある程度想定できていました。それは「ゲーム序盤に細かなミスを連発して失点を誘発してしまい、そのままずるずる行ってしまう」であり、夏の県予選4試合(中部商業、知念、KBC、エナジック)を現地観戦したブログ主の予感でしたが、それが甲子園でも現実になったのはちょっと笑えなかったです。

このチームは細かなミスが多い、それは「仕様」であると以前ブログで指摘しましたが、今年の興南を象徴するシーンを二つ紹介します。それは3回裏ワンアウト一塁で3番境くんがショートライナーを打ちますが、ここで一塁へ悪送球をしてしまいダブルプレーが取れなかったこと、そして4回裏ワンアウト満塁で1番吉田くんがセカンドゴロを打ちますが、ここでもダブルプレーが取れず余計な追加点を献上したプレイです。夏の県予選5試合で8失策のチームならではと言えばそれまでですが、個々のプレイは決して雑ではないんです。でもなぜかミスをしてしまう。県レベルでは投手の力で損失を最小限に抑えることができても、全国ではそうはいかないとの当たり前のことを痛感させられました。

だがしかし、それ以上にまずいと思ったのが、

本土と沖縄との間には速球の対応力に差がある

という現実を突きつけられた点です。確かに大阪桐蔭の打者の対応力は高校生レベルを超えていると思いますが、それでも興南打者のストレートへの対応の拙さ、そして今年の夏の県予選から薄々感じていた県内チームの速球への対応力の低さは、今日の試合を見て確信に変わりました。

細かなミスを減らすのは個々のチームで対応可能ですが、速球への対応は今すぐ県全体で取り組むべきです。具体的には県内の右投手のレベルアップ(今年は県内に右の速球派がいなかったのも興南打線が沈黙した一因)、そしてパワーピッチャーを要する県外のチームを積極的に招待試合で誘致し、県内チームとの対戦を図ってほしい。時間こそかかりますが、長期的視点で課題に向き合ってほしいのです。そうしないと

我が沖縄のチームはパワーピッチャーの前には手も足も出ない

という惨劇が未来永劫繰り返される恐れすらあるのです。

少し厳しい意見になりましたが、大阪桐蔭という最高のチームと対戦して浮き彫りになった “貴重な教訓” を無駄にしてはいけません。もちろんブログ主はこれらの課題を克服し、近い将来我が沖縄の高校野球が全国を席巻する日を信じて今回の記事を終えます。