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閑話 我々のご先祖は賢い外交をしてきたのか その7

我々のご先祖は賢い外交をしてきたのか?の連載が意外に長引いています。本来ならその5ぐらいで終わらすつもりでしたが、琉球藩時代の当局の対日外交が余りにも稚拙なため、予定を変更して(当時の対日交渉の)失敗の本質の考察を詳細な限り行います。

前回の記事で、明治8年の5月29日の明治政府の御達書に対する琉球藩当局の対応について、

・明治政府の全権委任で来琉した松田道之のメンツを潰していること。

・二枚舌を使ったこと

の2点を厳しく批判しました。実は琉球藩当局が明治政府から委任された松田を頭ごなしにして、直に政府に嘆願しようとしたのは訳があります。ブログ主は、「琉球見聞録」に記載された松田と三司官との間の論戦において、何となくではありますがその理由を垣間見ましたので紹介します。(旧漢字はブログ主で訂正すみ)

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閑話 我々のご先祖は賢い外交をしてきたのか その6

明治8年(1875)5月29日の太政大臣三条実美名義での通達への対応について、当時の琉球藩庁の対日交渉はそれこそ「おバカ」の見本なので、当ブログでは反面教師の教材として可能な限り詳細に説明します。理由は当時の対日交渉の実態について、現在の沖縄県民(および他府県人)は全くといって知らないからです。おそらく「明治政府が力で無理やり琉球藩を処分した。かわいそう」ぐらいの感覚しか持ち合わせていないと思われます。

先のFacebook への投稿者もおそらく同じかと思われます。明治8年から12年の廃藩置県に至るまでの琉球藩の当局の交渉を鑑みると、とても「だから我々の御先祖は賢く外交、友好で国を栄えさせる道を選んだのだから」なんて主張ができなくなります。廃藩置県(琉球処分)に関しての現在の沖縄の歴史認識では否定的な意見が多いのですが、ブログ主はあえて肯定的に捉えています。極言すれば「こんなおバカな連中を社会の表舞台から退場させた明治政府GJ!」になりましょうか。

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閑話 我々のご先祖は賢い外交をしてきたのか その4

前回までの記事において、15~16世紀における琉球の対日外交を検証して、Facebook 上の投稿にあるように「賢く外交、友好で国を栄えさせる道」を実行したかをチェックしました。結論は「軍事力の裏づけのない外交には限界がある」ことになりますが、では今度は舞台を19世紀に変えて、当時の琉球王府の当局者が幕末の動乱期にどのような外交を展開したかを考察します。

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閑話 我々のご先祖は賢い外交をしてきたのか その3

前回の記事において、当時の琉球の対日外交が円滑かつ適宜に行われていた件を記述しました。15~16世紀における薩摩と琉球の関係は島津家曰く「貴国(琉球)と我が国は兄弟の約」とありますが、実際には対等に近い関係でした。その関係にひびが入ったのが、1570年に来琉した薩摩の使者雪岑和尚(せっしん)への応対問題です。(この事件は紋船一件の名で呼ばれることもあります)

『沖縄一千年史』、あるいは『沖縄歴史散歩』からの抜粋になりますが、事のいきさつは下記参照願います。

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閑話 我々のご先祖は賢い外交をしてきたのか その2

ここ数日、我がご先祖さまは本当に「賢く外交、友好で国を栄えさせる道を選んだ」のか、その長所と短所をあれこれ考えて見ました。ブログ主が考えうるに、長所はおそらく「武力を用いることに比べるとあまり費用がかからない」ことでしょうか。ご先祖さまにコストパフォーマンスの概念があったかは不明ですが、ハリネズミのように武装して外敵の侵入に備えるのに掛かる経費に比べると安上がりなこと間違いないでしょう。

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閑話 歴史に時効の概念を導入せよ その3

前回記事において、時効の概念を導入しないと当事者間の力関係によって歴史的事実が恣意的に解釈されてしまうお話をしました。ブログ主は歴史の記述にも「時効の概念」を大胆に導入すべきを考えますが、追加でもう一つ理由を述べます、それは

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閑話 歴史に時効の概念を導入せよ その2

前回の記事において「沖縄戦で起こった諸事実はもはや時効である」と主張すると猛烈に反発されると記載しました。この点の説明の前に歴史における時効の概念とは何かを定義します。

ちなみに民法上の時効とは「ある事実状態が一定の期間(時間時効)継続したことを法律要件として、その事実状態に合わせて権利ないし法律関係の損喪変更を生じさせる制度」とあります。すこしややこしいのですが、歴史における時効の概念は下記のように

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閑話 歴史に時効の概念を導入せよ

3月19日から始まった選抜高校野球も4月1日に大阪桐蔭高校の優勝で幕を閉じ、我が沖縄県の春の高校野球大会も4月2日に決勝が行われて、沖縄尚学が5年ぶりの優勝を果たしました。同時期にWBCも開催されて、ブログ主は野球三昧の日々を送ったのですが、イベントも一段落しましたのでブログもぼちぼち本題の歴史ネタの記事をアップしていきたいと思います。

今日は琉球・沖縄の歴史を語る上での最大のタブーは何かを考察します。下記はブログ主の仮説ですが、戦後世代(アメリカ軍の占領行政時代を経験した人たち)と、復帰世代(本土復帰直後に生まれた世代)の意識のズレを考えたところ、戦後世代はもしかすると以下の三つの概念を理解していないかもしれません。それは、

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俺が調子に乗って『琉球紀行』を解説するシリーズ その2

今回からはがブログ主初めて『琉球紀行』を読んだ際にガチで挫折しかけた箇所の解説になります。明治時代の日本の役人さんから見て琉球の位階制度がややこしいというお話ですが、実際にブログ主も上手く説明できるかハッキリ言って自信ありません。ただし解説すると宣言した以上は弱音を吐かずにガンバって記事を掲載します。

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閑話 右翼とウヨク、左翼とサヨクを分かつもの その5

前回記事において、左翼とは「あらゆる社会秩序を根本的に見直すことで、社会的不公正を是正することを目的とした人たち」と定義しました。「あらゆる秩序」ですので、当然現在の天皇家の存在も例外ではありません。富の再配分などの社会的公正を目指すために天皇の存在が邪魔と判断した場合は、左翼の立場では「天皇の廃位」も想定しなければなりません

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閑話 右翼とウヨク、左翼とサヨクを分かつもの その4

前回までに、長々と「右翼」の定義について述べました。今回からは「左翼」の本質、および何故左翼が「サヨク」に変質したかを考察します。

其の前に現代社会は「天皇陛下の前では日本人はみな平等」との建前がありますが、現実の社会には様々な矛盾や不公平があります。典型的なのが「富の配分」ですが、右翼も左翼も「富の配分の不公平の是正」する姿勢は共通です。

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閑話 右翼とウヨク、左翼とサヨクを分かつもの その3

前回の記事において、天皇の権威は「革命を否定する」ことで理論化されたことを記載しました。その論理は復唱すると「日本は世界でもっともすばらしい国である。その理由は神代以来天皇家が君臨し給い、有史以来革命(放伐)が一度も起っていない」になります。そうなると、当然前回の記事で説明した通り、

・天皇の権威は絶対である。

・湯武放伐(革命)の思想の否定。

になるのですが、実はさらに理論を突き詰めると

「日本は世界でもっともすばらしい国である。その理由は神代以来天皇家が君臨し給い、有史以来革命(放伐)が一度も起っていない。それゆえに日本=天皇であり、陛下のなさることはすべて正しい。

になります。この思想こそが、右翼の理想かつ完成系になります。現代人には理解しがたい考え方ですが、明治維新を経て2大戦役(日清・日露)に勝利した後の日本人たちは本当にそのように思っていたのです。

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