今月25日に岩手県での全国高校野球選手権の決勝戦(花巻東 vs 大船渡)が物議をかもしています。この件に関してブログ主が兎角コメントする立場はありませんが、大船渡の監督さんは父兄に対して何らかの説明責任を負わされた状況になっていると考えています。
國保陽平監督(32歳)を擁護する人たちは、「佐々木くんの将来を考えた決断」と評価し、批判する人たちは「なぜ全力を尽さなかった」の考えですが、ブログ主が案ずるに國保監督を擁護する人たちは沖縄大会の決勝における宮城投手の投球をどう思っているのか、これは是非聞いてみたい。この件に対し現在にいたるまで表立った批判がでていないのは明らかにおかしすぎます。
佐々木くんは確かに特別な存在ですが、宮城大弥投手(興南)だって現時点高校トップレベルの左腕で、もしもプロ志望届を出したらドラフト上位で指名されること間違いなしの逸材です。そんな彼に準決勝・決勝と連投で350球以上、しかも決勝は延長13回を投げ切ったことに対して無言を貫くのは矛盾もいいところです。
本日の沖縄タイムスに沖縄大会の決勝に関してこんな投稿が掲載されていました。
上記引用の投稿は、おそらく決勝戦を観戦したひとたちの声を代弁していると見做して間違いありませんが、「何よりも両校の選手たちが、青春のエネルギーをぶつけ、高校生らしいキビキビ、はつらつした全力プレーは圧巻だった」との記述に注目してください。これが高校球児たちに最も求められている事柄であって、それがために高校野球の改革は一向に進展しない。そしてこの点が高校野球が抱える最大の闇なのです。
選手負担の軽減はルールを変更すれば簡単にできるのです。一番いい方法は試合イニングを短縮する方法(例:7イニング制)、そのほか連投制限や球数制限なども有効ですし、甲子園でコールド制度の導入も一定の効果あるでしょう。さまざまな意見が噴出しているにも関わらず改革が実行できない最大の要因が、(誤解を恐れずにハッキリいえば)「高校生らしさを阻害するのでは」という高校野球ファンからの強い反発です。そして彼らの存在がガンになって高野連でもどうしようもできない状態になっているのです。
高校生らしさを球児に求めることの弊害は枚挙に遑ありませんが、現在の高校野球をとりまく状況では選手負担の軽減策の導入は絶対うまくいかないと確信できます。唯一の救いは高校球児たちが真摯に野球に取り組んでいることで、周りの大人はサポート役に徹することで選手負担の軽減に全力を尽せる日が来ることを願いつつ、今回の記事を終えます。