興南高校はセンバツへ出場できるか

今月20日から25日まで開催された第143回九州地区高等学校野球大会(熊本県)において、我が沖縄代表の沖縄水産高校は1回戦で長崎商業に8-4で、興南高校も準々決勝で優勝した筑陽学園に延長13回(タイブレーク)1-0で惜しくも負けてしまいました。沖縄水産に関してはセンバツ出場が絶望的ですが、興南に関しては筑陽学園が優勝したことで少しではありますがセンバツ出場の可能性が出てきました。今回はその可能性について言及しますので、野球好きの読者の皆さん是非ご参照ください。

筑陽学園・明豊・日章学園はセンバツ当確

センバツの九州出場枠は「4」で、今季九州大会で優勝した筑陽学園(福岡1位)・明豊(大分1位)・日章学園(宮崎1位)は当確とみて間違いないでしょう。やや微妙なのが大分(大分2位)です。

大分高校の戦績を振り返ると、初戦の22日は4-1で長崎南山(長崎1位)、24日には8-1で神村学園(鹿児島1位)に勝利しベスト4に進出しました。各県1位を撃破したことと、九州大会ではめっぽう強い神村学園に8回コールド勝ちの実績は文句のつけようがなく、準決勝の筑陽学園との試合も5-3(延長12回)で惨敗ではなく惜敗の部類ですから本来は選出されてもおかしくはありません。だがしかし筑陽学園が優勝したことが、選考を少しややこしくしてしまいます。

地域性を考慮すると大分から2校選出するのか

今大会で明豊高校が優勝したなら、大分高校は問題なく選出されます。ただし大分代表の2校が筑陽学園に連敗したため、現時点の序列が筑陽>明豊>大分になります(明豊が優勝した場合は明豊>筑陽>大分になるから無問題)。しかも大分高校は県予選決勝で明豊に大敗(11-6)してますので、この点を考慮すると選考会において同一県から2校選出するかが疑問視されてもおかしくありません。

センバツ大会を盛り上げるスターが不在

大分高校はチームの実力は申し分ないのですが、果たしてセンバツを盛り上げるスターがいるのかを考えると疑問に思わざるを得ません。興南には宮城大弥という(現時点では)九州No1の投手がいて、しかも九州大会で圧巻の投球を見せてくれました。宮城君に匹敵するスターがいれば問題ないのですが、おそらくこの点も大分高校にとっては不利な材料になると予想できます。

それでも現時点では大分高校が有利

ここまでざっとセンバツ選出における大分高校の不利な点を中心に説明しましたが、現状では①ベスト4進出、②優勝した筑陽学園に惜敗、③ベスト8で神村学園にコールド勝ちの実績を考慮すると、大分高校が選出される可能性が高いと予想できます。もちろん選出されたら、ブログ主は全力で大分高校を応援します。

もしも興南高校が選出されるとしたら

今季九州大会で我が沖縄代表の興南高校はベスト8で敗北しました。通例なら準々決勝で負けたチームから選出は絶望的ですが、今回は少しばかりではありますが可能性があります。以下その理由をまとめてみました。

優勝した筑陽学園を一番苦しめたチーム

ベスト8の筑陽学園との試合は、今季九州大会No1と言ってもいい好勝負で間違いありません。この試合で延長13回を1人で投げ抜いた西舘投手(筑陽学園)はインタビューで「力を最大限発揮できた理由として『彼がひき出してくれた』と準々決勝で延長13回を投げ合った興南のエース宮城大弥に感謝する。」と述べています。筑陽学園にとって興南との一戦が転機になったことは間違いなく、そして選考委員会でこの点が議題に上る可能性は十分あります。優勝チームを一番追いつめた試合だったという事実がどこまで評価されるかが気になります。

スター候補の存在

興南のエース宮城大弥投手は今大会で文句のつけようのない投球を見せてくれました。2試合登板(21イニング0/3)で防御率0.86、自責点2、奪三振27の実績は文句なしで、特に初戦の熊本国府との試合での14奪三振と、筑陽学園との一戦での13奪三振はすさまじいのひとことです。県大会準決勝の嘉手納高校との試合でも16奪三振で完封してますし、これまでの実績を考慮すると現時点で九州No1の投手であることは疑いの余地ありません。

他の地区の勝敗結果にもよりますが、センバツ大会を盛り上げるスター不在と選考委員会で判断された場合は、宮城君の存在が議題に上る可能性があります。そうなったら大分に代わって興南が選考有利になるかもしれません。

筑陽学園が神宮大会で優勝する

明治神宮大会での優勝すると、枠が一つ増えますので、そうなった場合は筑陽学園に惜敗した興南が選出されること間違いありません。ただし神宮優勝はハードルが高いのであまり期待しないほうがいいでしょう。

センバツ出場の可能性がでてきた事実が重要

これまでざっと興南のセンバツ出場の可能性について言及しました。正直なところ選出される可能性は低いのですが、チーム強化の上では「センバツ出場の可能性」が生じたことがきわめて大きな意味を持ちます。なによりも冬場のトレーニングのモチベーションが全然変わってきますし、仮に選出されなくても、今度は悔しさをばねに選手たちが大きく成長する可能性があります。もちろん選出されたらテンションマックスでチームが超絶強化されること間違いありません。

選手やチームのレベルアップを図るうえでもってこいの状況が生じたといっても過言ではありません。この機会を最大限に利用して、是非強いチームを作り上げてほしいとブログ主は切に願うところであります。(終わり)。