平成30年9月8日より開催の第55回沖縄県高等学校野球秋季大会は10月7日にコザしんきんスタジアムで決勝戦が行われ、周知のとおり沖縄水産(以下沖水)が8-1で興南高校に勝利し14年ぶり10回目の優勝を果たしました。ブログ主は9月8日の初戦(沖縄尚学vs糸満)の試合をはじめ数試合現地観戦して、大まかではありますが新チームの戦力をチェックすることができました。手始めに秋季大会優勝チームの沖縄水産についてブログ主が調子に乗って戦力分析をまとめましたので、野球好きの読者のみなさん、是非ご参照ください。
秋季大会の成績
今回ブログ主は3試合(石川、八重山、沖縄尚学)観戦する幸運に恵まれましたが、石川と八重山に対しては順当勝ちで準決勝の沖縄尚学は予想以上にてこずった印象がありました。ただし改めてスコアを見ると準決勝を除いては危なげなく勝ち進んでおり、しかも北山、沖縄尚学、そして宮城投手擁する興南に完勝した実績はすごいの一言です。
チームの特徴はディフェンス力が万全の一言です。投手は左腕の上原一帆君、右腕の國吉吹君ともに前チームから公式戦での登板があり、センターラインもそっくり残りましたので守備の安定感が他チームに比べると一段も二段も上です。現時点では沖縄No1のディフェンス力と見て間違いありません。
オフェンスは典型的な一昔前の公立野球で、ノーアウト1塁ではバントで手堅く進塁、1アウト3塁ではスクイズ敢行の采配は上原忠監督が糸満高校を率いていた時と同じです。それ故にチーム全体でバントの精度が高く、特にノーアウト1塁時の送りバントは1発で決めた印象があります。ただし身体能力の高い選手をそろえている割にはエンドランをあまり用いず、手堅く進塁するケースがほとんどのため、走塁面で相手チームに圧力を与えているようには見えませんでした。
糸満時代もそうでしたが、上原忠監督が率いるチームは「自分の野球に徹する」の一言で表現できます。こういうタイプのチームはいつの間にか「自分の野球しかできない」試合展開になりがちで、臨機応変に戦うことが苦手になります。沖縄尚学にもこの傾向がありますが、果たして今年の沖縄水産が全国の強豪相手にどこまで自分たちの野球を貫くことができるが注目です。
秋季大会準決勝のスタメン
初戦の石川、3回戦の八重山との試合では5番ファーストに目取真隆市くん(167㌢/79㌔/右・左)がスタメン出場していました。ブログ主が観戦した準決勝のオーダーは上記のとおりですが、このチームの投打の中心は3番の上原一帆君です。
上原くんに関してブログ主が一番感心したはファースト守備における捕球のうまさです。さりげない捕球動作に彼が持つ野球センスの高さを感じました。投手としても130㌔前後のストレートとスライダーの制球がよく、ゲームを作ることができる好投手です。以前ブログ主は「沖水には軸になる選手が見当たらない」と指摘しましたが、秋季大会を観戦した限りでは上原一帆君がチームの軸として成長した印象を受けました。
上原忠監督が「うちはダブルエース」と公言するとおり、エースナンバーの右腕投手國吉吹くんも好投手です。ブログ主が観戦した試合では、制球に苦しむ場面がおおく投球フォームを気にしながら投げている感じでしたが、ストレートに威力があり対戦打者がポップフライを打ち上げるシーンを多く目にしました。ストレートの平均球速は130㌔中盤前後ですが手元で伸びている様子で、変化球はカーブとフォークボールを投げます。彼は一冬超えたらおそらく145㌔前後の速球を投げると予想しています。
沖水のスタメン中ブログ主が確認した限りで5人(上原大、川端、上原一、國吉、平安)が夏の大会でもスタメン出場していましたが、今大会は新チームからのレギュラーである三木、瀬長、金良くんの活躍が目立ちました。特に捕手の金良くんが一本立ちしたことと、6番ライトの三木くんの打撃がチームの勝利に大きく貢献しました。三木くんは下位打線に置くのがもったいない右の強打者です。
九州大会では優勝を狙える戦力
ここまでざっと沖水のチームを紹介しましたが、公式戦の経験豊富な前チームのレギュラーと新チームのレギュラーがかみ合った最高の形で県大会を優勝しました。身体能力が非常に高く、上原監督のもとで鍛えられたメンツですので体力面も問題ありません。九州大会では最低2勝でセンバツ出場なんてケチなことは言わずに、是非優勝を目指してほしいところです(終わり)。
参考動画(沖縄タイムス公式動画チャンネルより)