(続き)1972年(昭和47)に本土復帰を果たした後の世論調査では復帰してよかったと答えたのは5割程度でした。これが21世紀になると8割が復帰してよかったと回答しています。復帰後に日本政府および沖縄県庁が適切な政治運営を試みた結果ですが、沖縄県民が
沖縄はもはや本土と対等である
と自信をもっていることが一番の原因なのです。かつて興南高校の我喜屋優監督が “沖縄と本土と対等” と述べたことがありますが、我喜屋さんのように本土で苦労して野球指導者の地位を築いた方の発言には問答無用の説得力があります。
そのような社会環境のなかで「差別からの解放」を最大の目標に独立や自治権の拡大を唱える人たちに対して現代の沖縄県民が極めて冷淡なのも無理はありません。ただし現時点ではオスプレイ反対や辺野古移設反対など社会的に活動の余地があるため現代の活動家はまだ恵まれています。明治29(1896)年の公同会運動に参加した頑固党の大多数は社会的にとどめを刺されてしまい二度と政治・社会の第一線に戻ることができなかったのです。
独立論や自治権拡大の主張が現代の沖縄県民に受け入れられるには「沖縄はずっと差別されつづけている」との前提を捨てて新しい論理で説明しなければなりません。ただしこの思考転換は現在の独立論者や自治権拡大を主張する人たちには到底受け入れることができません。だからブログ主は彼らに対して厳しいようですが
あなた方の主張はもはや受け入れられないので黙って消えてください
としか言うことができないのです(終わり)。
過去記事の
”アメリカ軍の占領行政を経験した世代には保守、革新ともに「薩摩に占領されて以来400年間沖縄は差別され続けてきた」という認識があります”
について
日本本土においても GHQによる報道規制などが行われたので 沖縄ではそれ以上の報道規制(米国及び連合軍の批判の禁止など) が行われたのは事実だと思います。
そして 永久的に沖縄を支配下にしたかった米国(第7心理作戦部隊・琉米親善委員会など)による 日沖分断工作と宣撫工作によるものだとと思います
琉球時代の伝統や工芸品の復刻 琉球民話の掘り起こし など 琉球の特異性のアピール による 刷り込みだったのでしょうね
FBよりおじゃましました
宜野湾さん、コメントありがとうございます。
ご指摘の通りアメリカ軍の占領行政時代には何らかの撫順工作があったことは間違いないでしょう。
実は1950年代あたりまでに刊行された沖縄の歴史書には「沖縄は薩摩に占領されて以来400年間沖縄は差別され続けてきた」という被差別意識はあまり見られません。
60年代から復帰にかけて若手の歴史研究家たちが台頭してからその傾向が見られるのは実に興味深いです。
>1950年代あたりまでに刊行された沖縄の歴史書には「沖縄は薩摩に占領されて以来400年間沖縄は差別され続けてきた」という被差別意識はあまり見られません。
勉強になります!