大急ぎになりますが、明日開催予定の第100回全国高等学校野球選手権記念沖縄大会決勝戦の展望についてブログ主が調子に乗って語ります。前の記事で今年は投手の完成度が低いと述べましたが、結果的に投手力を含むディフェンスが安定しているチームが決勝に進出しました。興南は藤木・宮城の両左腕に捕手の遠矢くんが一本立ちして磐石の投手力を誇りますし、糸満は主戦の金城龍史郎くんが投打に絶好調でチームを勝利に導いています。
ただし今回はちょっと趣向を変えて歴史ブログらしく、過去10年前後の決勝戦や糸満高校の経歴を紹介しながら、明日の勝敗予想を展開します。
・まず2007年度から(我喜屋優さんが興南高校監督に就任した年)2017年までの11年の優勝チームを調べてみました。興南高校の大正義ぶりがお分かりでしょうか。面白いのは5回の優勝すべて左腕がエースナンバーを背負っていることです。地方大会は必ずしもそうではありませんが甲子園で優勝するチームのエースナンバーは右腕のパターンがほとんどですので、その点を考えると沖縄大会の結果は大変興味深いものがあります。
・2009年(参考:上原忠さん(現沖縄水産高校監督)が糸満高校監督に就任したのが2008年)から前年までの糸満高校の夏の成績も調べてみました。2016年から真玉橋治さんがチームを率いていますが、9年で優勝1回準優勝3回、ベスト4入りが2回と好成績をあげています。公立高校としては文句のつけようのない成績で、監督が変わったあとも安定した成績を残していることは本当に凄いです。
過去十年において夏の大会で糸満と興南が対決したのは計3回、すべて興南が勝利しています。参考までに沖縄尚学と糸満は過去10年で5回対戦して2勝3敗ですので、糸満高校がいかに興南を苦手にしているかがわかります。ただし監督就任して11年で5回夏の甲子園に出場している学校(および監督)を得意とするチームなんているわけありません。県内の高校にとって”我喜屋監督率いる興南”が極めて高いカベになっていることがお分かりでしょうか。
ただし今年の糸満はワンチャンスありとブログ主は考えています。下記のデータを参照ください。
【参考】
・1点取るのに必要なイニング:この数値が小さければ小さいほど打線につながりがあり。
・1イニングに取ることができる点数:この数値が大きければ大きいほど破壊力ある打線になる。
全国平均は2014~17年の平均値を大雑把に算出しましたが、今年の糸満高校は打線の破壊力で勝ち進んできたことが分ります。上原忠監督時代は塁に出る→足でかき回す→スクイズで加点のパターンが基本で、機動力を全面に押し出した野球が持ち味でした。それが真玉橋監督の時代になって打線の破壊力が持ち味のチームに変貌しています(ちなみにここまで盗塁はなし)。
簡単にいえば
・糸満高校は9イニングで3回加点のチャンスがあり、その際3点近く取る能力がある。
・興南高校は9イニングで2~3回加点のチャンスがあり、その際2点取る能力がある。
になります。この強力打線が県内最強を誇る興南ディフェンスを破ることができるか、これが明日の試合の最大の見所になります。ディフェンス力に優れた興南が有利なのは否めませんが、打線の破壊力に自信の今年のチームなら”もしかしたら”とブログ主は考えます。明日の決勝がいまから楽しみでなりませんが、両チームとも素晴らしい戦いを見せてくれることを確信して今回の記事を終えます。
【追記】1月の競技会の成績で400点を下回るチームが優勝できないジンクスは今年も破られることはありませんでした。