7月9日コザしんきんスタジアムで行われた3回戦、興南vs嘉手納の9回表のクロスプレーにおける誤審騒動について解説します。先ずはYouTubeの動画をどうぞ。
8回裏終了時には1-0と興南が1点リード、9回表で後がない嘉手納高校はノーアウト1塁で4番がレフトオーバーの長打を放ちます。その時のホームでのクロスプレーの判定が物議をかもしたのですが、たしかにこの角度から見るとアウトに見えます。
ただしこのプレーはハッキリ言って投手の比屋根くんのカバーリングミスから招いた過失です。比屋根くんが本来のカバーリング位置(送球の導線を考えると捕手の後ろ側)に備えておれば間違いなくアウト判定です。下図を参照してください、これが今回のクロスプレーにおける本来のカバーリング位置です。
そして審判は判定しやすい位置取りができるので、ランナーがよっぽどうまく回りこまないと確実にアウト判定になります。
現実には下図のようになって投手の比屋根くんは捕手の背後に回りこまずに、捕手と接触した状態でバックホームの送球をカットしてしまいます。
そして投手自らランナーにタッチしますが、審判の位置からは投手と捕手がブラインドになってしまいクロスプレーが判断しづらい状況になってしまいます。審判はランナーがうまく回りこんだと判断してセーフと判定しますが、この判定は責めることができません。
その後動揺した比屋根くんは逆転打を許して興南高校は負けてしまいます。このケースで痛感したのは甲子園で3試合登板して県外の公式戦での経験豊富な比屋根くんですら初歩的なミスを犯してしまう高校野球の怖さです。当然比屋根くんを責めることができませんが、彼にはこの失敗の教訓を今後の野球人生に生かして欲しいと思います。