奇妙な選挙

今月16日に投開票の令和6年度沖縄県議会一般選挙(以下県議選)に関し、現時点でのブログ主の感想を記事にまとめてみました。というのも、過去の選挙と比較して、どうしても違和感を覚えざるを得ない展開になっているため、若干混乱気味なところがあります。

まず、目につくのが県政与党(とそれに類する)候補者たちが「辺野古新基地反対」を前面に押し出して選挙を戦っていません。というのも昨年9月の最高裁判決に対し、県は “民意” を盾に態度を明確にしませんでした。

となると、今回の県議選では「辺野古新基地反対運動における最高裁判断に従わなかった是非を問う選挙」になるはずですが、実際にはそうなっていません。しかも県政与党は照屋大河県議(当時)を中心に玉城知事に対して(最高裁の判断を受け入れないように)一致団結して要請しているのです。(令和05年10月3日付沖縄タイムス02面)

そうなると、県政与党はどのような大義名分で玉城知事を支えていくのかが気になるところですが、その点も明確ではないのです。というのも先月24日に県が発表した「条件付き給食費半額支援」の案件で、候補者間での温度差がハッキリしていたからです。大雑把にみたところ、共産党は給食費支援を全面的にアピールも、その他の候補者はどちらかといえば消極的な態度が否めなかったのです。

さらに不可解な点が、県政野党(自民・公明を中心とした保守系)がぼろ負けする様子が見受けられません。ご存じの通りテレビでは連日連夜「自民党の裏金問題」が報じられており、プラス昨今の物価高の影響もあり、国政与党(自民・公明)の人気は低迷している現状があります。物価高だけでもアウト判定な上に、裏金問題のインパクトの強烈さも相まって、(普通なら)県政野党が大敗北してもおかしくない流れなんですが、そのような感じには思えないのです。むしろ、県の唐突な給食費半額支援の発表が、県政野党候補の結束を強めた感すらあります。

なので、今回の選挙は従来の「辺野古新基地反対」のスローガンが表から外されたことにより、争点が分かりにくくなった上に、県政与党側の失点(豊見城における共産党元市議の事件ときゆな智子候補の失言炎上騒動)もあり、

マイナスとマイナスがぶつかり合う

との奇妙・奇天烈な展開にしか見えてこないのです。

ざっと今回の県議選の “異様さ” をまとめてみましたが、結果がどうなるかはもちろん神のみぞ知るところです。ただし、今後、玉城知事を支える県議たちは「辺野古新基地反対」にかわり

自民よりはマシ

の旧革新共闘会議の伝統に回帰することで、(とっくに形骸化した)オール沖縄陣営の結束を固めていくことだけは間違いないと思いつつ今回の記事を終えます。

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