既にご存じの読者もいらっしゃるかと思われますが、沖縄県の玉城デニー知事は16日の定例記者会見で、2023年8月25日~9月3日に沖縄アリーナで開催された「FIBAバスケットボールワールドカップ2023」の沖縄ラウンドによる県内での経済波及効果(速報値)が107億2千万円だったと発表しました。(令和06年2月16日付琉球新報電子版より)
ちなみに経済波及効果107億円という数字は、りゅうぎん総合研究所が算出した令和05年プロ野球春季キャンプの経済効果(約101億円)とほぼ同じであり、つまりわずか10日の期間でプロ野球キャンプと同等の経済効果を生み出したわけです。
今回の知事会見で印象的なのが、平成30年4月22日に実施された第12回沖縄市長選挙において、沖縄アリーナ建設反対を訴えた諸見里宏美候補(現沖縄市議)を支持した玉城デニー氏が、知事コメントとしてバスケW杯の経済効果に言及した巡り合わせの悪さです。
※参考までに沖縄アリーナ建設における両候補の主張は以下の通りです。
・桑江朝千夫氏(現市長):設計設備から施工予定者が技術協力するECI方式で市民負担を軽減、運営は大規模イベントを誘致できる民間活力の導入、交通渋滞対策では交通結節点設置やICT活用などを検討。
・諸見里宏美氏:十分な説明がない、交通渋滞などの課題解決が先で、財政圧迫で他の事業予算への影響も懸念される。市民への情報公開を徹底して行い、アリーナ抗争の再検討を求めていく。(平成30年4月19日付沖縄タイムスプラスより抜粋)
それともう一つ興味深いのが、玉城デニー氏がオキナワン・ロックの面々との親交が厚い件です。そこでよく考えてみると、昭和60年(1985)から行政がタイアップした「ピースフルラブロックフェスティバル」も地域イベントとして定着したので、それなりの経済効果はあったかと思われますが、もしかするとピースフルが40年近く積み重ねてきた経済効果が
バスケW杯の10日に及ばない
可能性が否定できないのです。
ちなみに2年前の令和04年(2022)には復帰50周年ということで “コザ” を大々的にアピールした動画(ミラクルシティーコザ)や、再結成「紫」がやたらともてはやされましたが、果たしてその経済効果は如何ほどのものでしょうか。1年以上経過した今日でも全くといっていいほど “コザ” が盛り上がってない現状を鑑みると、バスケW杯とは比べ物にならない微々たる経済効果しかもたらしていないのは間違いないはずです。
今回の知事コメントは、言い換えると「コザを売りにしては地域にカネが落ちない」ことを暗に示しているのです。しかも面白いことに、ロックを売りにしている玉城知事が
コザブランドにトドメを刺すコメントを発表した
という件であり、それはつまり自分の選挙だけ幸運が舞い込む、イコールそれ以外では不幸が襲い掛かって来る玉城デニー氏の政治家としての “本性” を改めて目の当たりにした感があるブログ主であります。そして
任期満了まで、今度はどんな不幸が舞い降りてくるのだろう
と余計な期待を込めつつ、今回の記事をまとめた次第であります(終わり)。