もっとも注意すべきは愚かで勤勉なもの

ネット上で、ドイツの軍人であるハンス・フォン・ゼークトが提唱したとされる有名な「組織論」があります。ただし、ウィキペディアによると、ゼークトではなく別の軍人さんが提唱した分類法のようですが、現在においても非常な説得力を持つ内容のため、今回はブログ主なりに “もっとも注意すべきもの” について言及します。

まずはウィキペディアから「将校の4分類」について書き写しました。読者の皆さん、是非ご参照ください。

私が考える将校には4つの特性がある。利口、愚鈍(馬鹿)、勤勉、怠慢(怠け者)である。多くの将校はそのうち2つを併せ持つ。まずは利口で勤勉なもので、これは参謀将校にするべきだ。次は愚鈍で怠慢なもので、これは軍人の9割にあてはまり、日常業務をこなすことに向いている。利口で怠慢なものは高級指揮官に向いている。なぜなら確信と決断の際の図太さを持ち合わせているからだ。もっとも注意すべきは愚かで勤勉なもので、このような者は害を及ぼすのみであるので、いかなる責任のある立場にも与えてはならない。

ここで気になるのは、勤勉はともかく、何を持って愚鈍(馬鹿)と見做すのかですが、ちなみにブログ主は「経験値の更新が苦手」なタイプと解釈しています。その一例として下地ミキオ氏のSNSを紹介しますので是非ご参照ください。

石川県へ、能登半島地震の被害状況を視察に行ってまいります。

29年前の阪神淡路大震災では発災3日後、13年前の東日本大震災では発災8日後、8年前の熊本地震では発災翌日、5年前の西日本豪雨では発災2日後に現地入りしました。

私のこれまでの経験からすれば、現場の状況を把握し、次のステップの支援ボランティアにつなげるには、この時期の現場視察が最も効果があると考えています。

すべては自己責任。被災地の皆さんには絶対に迷惑をかけないようにしながら視察を行い、その場でできることがあれば即時活動したい。

私は政治家であります。

これからも政治を続けていく中で、防災担当大臣も務めさせていただいた経験から、災害政策は極めて重要だと認識しています。

それだけに、自らの体験を大事にしなければならず、震災後の状況視察は欠かさず行ってまいりました。

今回も、この視察を通して、災害に強い沖縄を創る政策創りに反映させてまいります。

「防災政策の起点は現場にある」

自己責任です。

行ってきます。

引用:1月8日付旧ツイッター(X)より抜粋

ご存じの方もいらっしゃるかと思われますが、今月1日に発生した能登半島地震に関して、同月5日の6党(自民、公明、立憲民主、日本維新の会、共産、国民民主)の党首会談において被災地視察を当面自粛することを申し合わせています(維新提案)。おそらく、現地はそれどころではないとの情報に基づく6党合意がなされた形ですが、下地氏は己の過去の経験をもとに9日と10日に被災地を視察しております。

ここで注目は、政府や政党レベルでは「2つとして同じ被災地はない(おときた駿・日本維新の会 政調会長)」の認識のもと、過去の経験をそのまま適用することを注意深く避けて判断・行動しているのに対し、彼のやり方はハッキリ言って真逆なのです。具体的には、「昔はそうだったから今回もそうだろう」の認識のもと速やかに動いた感がありますが、

これが勤勉な愚か者の典型的な言動なのです。

つまり、「昔と今回は違うかもしれない」との「経験値のアップデート」が全くされていないのです。

たしかにこの手のタイプに責任を持たすと、組織は厄介なことになります。一番ありがちなのが、予期せぬトラブルが発生したときに、過去の成功経験をそっくりそのまま当てはめて部下に処理させるパターンです。そうなると現場は間違いなく大混乱しますし、トラブルシューティングに失敗した際は、「昔はこのやり方で処理できた」との理由で、部下に責任を負わしてくる傾向すらあるからです。

なお、経験値の更新ができない理由は、どこかに「他者に対する不信感」を抱えているからに他なりません。そのため、この手のタイプは本質的に「他者の報告」を信用しない傾向が顕著なのです。

最後に、今回の彼の動きを見るにつれ、

下地ミキオ氏が政治家として迷走極まりない状態になっている

理由がブログ主にはハッキリ理解できたことと、彼を責任ある地位につけてはならないとの沖縄一区の有権者の判断は実に正しいと思いつつ今回の記事を終えます。