りうきう独立芸人がアフガン政府崩壊から学ぶべき教訓とは

既報ですが、8月15日、アフガニスタンの武装勢力「タリバン」が首都カブールを制圧し、親米政権だったガニ政権(注)は崩壊しました。

(注)ウィキペディアを参照すると、モハンマド・アシュラフ・ガニ―・アフマドザイ(アフガニスタン・イスラム共和国第11代大統領。任期:2014年9月29日から2021年8月15日)とあり、8月15日をもって大統領退任扱いになっています。

ブログ主は中東やアフガニスタンの専門家でないため言及する資格はないと思いつつも、タリバン復権には極めて強い関心を持ちましたので、気が付いた点を当ブログにてまとめてみました。そして、沖縄では革命が極めて起こりにくい理由についても改めて思い知らされました。

故長谷川慶太郎氏が力説されていましたが、タリバンのような武装集団は正規軍(国家の軍隊)とは性格がことなり、要約すると、

・武装集団は政府(政権)が公認した組織ではない。

・武装集団は(原則として)自発的に参加した者で構成されている。

・武装集団は一定の地域に固定している。

・営利的に行動するケースがある(強盗など)。

・武装集団は基本的に正規軍の敵対者としての性格を持つ。

になります。そして武装集団が存続する条件が極めて興味深いのですが、

・政府、あるいは既存の権力に対する極めて根強い反発。

・正規軍の手が及ばない「聖域」の存在。

・武器、弾薬の安定的な供給。それを可能にする資金源の存在。

とあり、公安調査庁の国際テロ組織のページを参照すると、タリバンは上記条件をすべて満たしていることがわかります。特に重要なのは聖域の存在で、タリバンの場合はズバリ隣国のパキスタンが聖域として機能しているのです。

誤解を与えかねないため断っておきますが、パキスタン政府が直接的にタリバンを保護しているのではなく、国内に無数にあるマドラサ(神学校)のネットワークが絶好の隠れ家になっています。あと “政府内独立勢力” と揶揄されるほどの強大な存在である「パキスタン軍統合情報部」が関与しているのは疑いの余地がありません。事実、タリバンの最高指導者であるハイバトゥッラー・アーフンドザーダ師はパキスタンのクエッタに潜伏していると言われています。

もちろんアフガン当局やアメリカなど諸外国は主権国家であるパキスタンに簡単に手だしすることができません。仮にタリバン掃討の名目でビン・ラディン殺害のような無茶を繰り返すと国際的な大問題になります。つまり今回の事例は武装集団にとって聖域の存在がいかに重要かを世間に知らしめたのです。

タリバンがパキスタン国内に聖域を確保できたもう一つの理由は、パキスタンの主要都市との移動の便宜があります。例えばカブールとパキスタンの大都市ペルシャワールや、南部大都市のカンダハールとパキスタンのクエッタは陸路で簡単に移動できます。これが我が沖縄の場合は四方を海に囲まれているため、陸路と比較して外国への移動が困難を極めるのです。つまりアフガンと比較して我が沖縄は

地理的に聖域の確保、あるいは移動が極めて難しい

という大ハンデがあり、この点が沖縄で革命を不可能たらしめている最大要因なのです。事実アメリカ世時代には瀬長亀次郎氏に対して海外への渡航を禁じることで人民党の活動を抑制することができました。

実は聖域の確保が困難であるという事実は我が沖縄の歴史に極めて大きな影響を及ぼしています。たとえば慶長の役も廃藩置県も結局は逃げ場がなかったために降参せざるを得なかったのです。(戦力差を考えると)沖縄戦において日本軍は米軍相手に大健闘しましたが、最終的には壊滅的な被害を蒙りました。歴史の教訓を鑑みると、たとえば “琉球復国” など現在の政権を転覆すなわち “革命” を起こすためには真っ先に “聖域” を確保するべきです。そうすればタリバンのように目的成就する可能性がでてきますが、現存する琉球独立運動は総じて、

日本の社会秩序を全面的に信頼して、国内で呑気に言論活動に従事しているおバカな存在

であり、聖域の重要性なんて全く想定していません。だからブログ主は彼らを “りうきう独立芸人” と揶揄してはばからないのです。(終わり)