7月19日の沖縄タイムス総合欄(3面)の記事について思うこと

7月18日の午後、民進党の蓮舫代表が自身の「二重国籍問題」に関して記者会見を行いました。翌19日に沖縄タイムスの総合欄にも関連記事が掲載されていましたが、突っ込み所満載の内容のため今回当ブログで取り上げます。まずは全文をご参照ください。

~蓮舫氏 日本国籍を証明 戸籍公表 差別助長の懸念も~

民進党の蓮舫代表は18日午後、台湾との「二重国籍」を解消したことを証明するため、日本国籍を選択したことを裏付ける戸籍謄本などの関連資料を公表した。党本部で開いた記者会見で公表理由を「野党第1党の党首として現政権に強く説明責任を求める立場を勘案した」と説明。党内外の疑問を払拭し、東京都議選敗北後の代表続投に理解を求める狙いもある。ただ異例の戸籍開示が人権侵害や差別を助長するとの懸念が出ている。

公表資料には1987年に期限切れになった台湾のパスポートや、台湾当局が2016年9月13日付で交付した「国籍喪失許可証書」が含まれる。今年6月に交付された戸籍謄本は国籍選択の宣言日を2016年10月7日と記載している。宣言日や氏名、出生日以外の部分は公開しなかった。会見で蓮舫氏は戸籍謄本公表への批判を踏まえ「前例とすることは断じて認めることはできない。私で最後にしてほしい」と強調した。

蓮舫氏は昨年9月の代表選の際、台湾籍が残っていることが判明。翌10日に日本国籍だけをもつ意思を宣言する「国籍選択届」を提出したと説明していたが、家族のプライバシーを理由に戸籍公開を拒んでいた。

~説明が遅すぎる 評論家の大宅映子さんの話~

政治家は利害関係が異なる他国とにらみ合い、国益が絡む問題に対処する必要がある。国籍が二つあると、日本と他国のどちらに軸足を置いているのか疑念をもたれても仕方がない。それだけに、蓮舫代表は問題が浮上した段階で国民の納得を得られるよう説明を尽くす必要があった。今更説明しても遅すぎる。疑念が出た以上、戸籍についても公開するのは当然だ。プライバシーを理由に公開をためらっていたそうだが、それは問題のすり替えだ。

~差別利用の歴史 国籍問題に詳しい小田川綾音弁護士の話~

戸籍情報は極めてプライベートなもので、差別に利用された歴史を踏まえれば、公表すべきてはなかった。今回を機に社会的な問題が起きると戸籍などのプライバシーが持ち出されやすい風潮を招き、差別につながらないか懸念している。重国籍は複数の国の制度が絡む。特に国として承認されていない場合の「国籍」の決定は政治的で複雑な問題だ。ただ多様性の観点から重国籍を認める国もある。日本でも見直しが必要ではないか。

上記の記事の一番の突っ込み所は何か、それは「公職選挙法」という単語が1つないことです。かつて蓮舫氏はご自身のホームページで「1985年台湾籍から帰化、帰化するまで謝蓮舫という名で、今も謝姓に愛着と誇りを感じている」と記載しています(このページは現在削除すみ、Web魚拓で確認)。

今回の案件は、二重国籍そのものの問題ではなく、「いつ台湾籍から帰化したのか?」がポイントです。つまり蓮舫代表に問われているのは「経歴詐称による公職選挙法第235条違反の疑い」なのです。その点にマスコミが突っ込まないのは異常極まりないと言っても過言ではありません。政権を獲得する可能性がなく、あるいは反自民勢力であれば公職選挙法を違反しても黙認するつもりなのでしょうか?

しかも総合面の記事配列をみるとビックリします。稲田朋美防衛大臣の国会における虚偽答弁疑惑を大きく取り扱っているではありませんか。稲田大臣も蓮舫代表も信用という観点から政治家としての資質が問われているのですが、「公職選挙法違反の疑い」のある蓮舫氏のほうが遥かに悪質です。にもかかわらず稲田大臣の記事を大々的に配置したのはブログ主には理解不能です。もしかすると沖縄タイムスには一般市民には知りえない「大人の事情」を抱えているのかもしれません。

ブログ主は5月22日の我喜屋優興南高校野球部監督のインタビュー記事内の「地元の新聞記事には目を背けたくなる」という文言を痛感せざるを得ません。地元の新聞が「ルールを守るより大切なことがある」との立場で記事を配信しているのです。我喜屋さんが危機感を抱くのも当然で、今更ながら沖縄の既存のマスコミの危うさ、恐ろしさを実感した次第であります。(終わり)

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【関連リンク】

・公職選挙法 http://law.e-gov.go.jp/htmldata/S25/S25HO100.html

・蓮舫氏のホームページ(Web 魚拓) http://wayback.archive.org/web/20130218150921/http://renho.jp/profile-stage1