12月13日の米軍ヘリからの部品落下事件について

先日の13日10時ごろ、我が宜野湾市の普天間第二小学校の校庭グラウンドに米軍ヘリの部品が落下して大騒ぎになった案件、14日の沖縄2紙では一面トップで大々的に報道しました。2日経過して様々な報道に接してようやく冷静になったところで、今回の事件についての記事を掲載します。

第一に、飛行物体の部品の落下は小学校の校庭に落ちようが、海に落ちようがそれだけで重大事故なわけで、在日米軍のメンテナンス体制が厳しく問われるのは云うまでもありません。10月11日にも米軍ヘリが高江で民間地に緊急着陸し炎上していますので、もしかすると米軍側の整備体制に大きな欠陥があるのかもしれません。

第二は本当に飛行物体から部品が落下した場合は、どんな事態が起こるかを目の当たりにできたことです。印象的なのはヘリ部品の落下が目撃されて(10時ごろ)、1時間後には在沖米軍から県に報告があったことです。この流れを見ても、7日に起こった宜野湾市野嵩の保育園の落下事故は極めて疑わしい。

だがしかし、沖縄タイムスでは『2014年以降の米軍機の部品落下および緊急着陸』の記事において、「12月7日、宜野湾市野嵩の保育園に普天間のCH53Eヘリの部品が見つかる。米軍機から落下したとみられる」と明記しているので、この案件も米軍ヘリからの落下事故として看做そうという意図を感じます。

不幸中の幸いは、普天間第二小学校の生徒達に死傷者がでなかったことです。この点は心の底からホッとしました。

今回の事件を受けて、地元マスコミは大騒ぎをしていますが、地元民であるブログ主から言わせてもらうと、

19982月の名護市長選の結果を受けて、普天間基地を辺野古へ移設すれば、こんなことにならなかった」

に尽きます。それ以外の感想はありません。昭和43年(1968)年の主席選挙から50年、そして普天間の移設問題が持ち上がってから20年以上も米軍基地の即時撤退、あるいは普天間基地の県外移設を唱え続け、その結果現状を固定してしまったからこそ今回の事件は起こってしまったのです。

確か山本七平さんだったと記憶していますが、「現実離れした要求は、結果として現状を固定する。消極的な現状維持派に他ならない」と述べていました。今回のケースがまさにそれです。ブログ主はおそらく今回の案件を受けて地元マスコミの報道とは逆に、「早く辺野古へ移設しろ」との声が大きくなると予想しています。

ちなみに普天間第二小学校の移転問題は、裏取りできない伝聞ベースの情報が多すぎて正直なところ頭の中で整理できていません。それゆえに今回は言及を避けますが、ただ一つ言えることは保守も革新も“本音では危険ではないと思っているから、なかなか移転計画が進展しない“ということです。今回の事件を受けて、本当に児童のためを思うならば、さっさと普天間基地を辺野古に移すか、あるいは普天間第二小学校を移転する対策を講じて欲しい次第であります(終わり)。


【参考】

・12月14日、沖縄タイムス一面。

・12月14日、琉球新報一面。

・12月14日、沖縄タイムス社会面(26面)に記載されていた、過去の落下案件。17年12月7日に注目。

・12月13日、自由民主党が政府の菅義偉官房長官に提出した抗議文。コクバ幸之助 – 衆議院議員の facebook から掲載。

https://www.facebook.com/kokubakonosuke/

・12月14日、琉球新報に掲載された識者談話。この話は説得力がありますので全文掲載します。

頼和太郎 リムピース編集長 整備体制に問題か

CH53ヘリで事故が相次いでいる事態を大きな事故につながる前兆と捉えるべきだ。これまでの事故と同様にパイロット一人のせいに済ませず、整備の時間が足りないせいなのか、訓練環境が激化しているのか、徹底的に原因究明しなければならない。

CH53ヘリは古くから使われている機体で数字の「53」の後のアルファベットは大きなモデルチェンジをしたときに変わる。2004年、沖縄国際大で墜落したのはD型機で、今回はE型機。東村高江で不時着・炎上したのもE型機だ、一番新しいE型機も長い間使われ、古い部類に入る。

運用時間の経過とともに事故率は高くなっていく。事故を起こさないために点検・整備をしなければならないが、その整備体制に問題があるのかもしれない。

整備不完全の原因の一つは軍事費の削減がある。予算が削られるのはまず修理・点検からだ。整備に一番しわ寄せがくる。それで古い機体に影響が出てくるのではないか。訓練の増大と整備の縮小が悪循環に陥り、物を落とすような事案が起きている。

訓練環境も、夜間訓練が増えるなど状況が変わってきている。沖国大の墜落時も、イラク戦への派遣を巡って訓練が集中し、整備も集中する中で忙しい整備員がもうろうとなってミスをして事故が起きた。その後も、整備員を増やすなどの対策が盛り込まれた。あの時反省したはずだが、それが生かされていない。