令和2(2020)年1月11日、読谷村陸上競技場において毎年恒例の沖縄県高等学校野球部対抗競技大会(48回目)が開催されました。沖縄県高等学校野球連盟のホームページで今年度の成績が閲覧できますが、今回はちょっと趣向を変えて20年前(第25回から29回の5年分)のデータを参照して沖縄県における高校球児たちの体力面でのレベルアップについて言及します。興味深い結果となりましたので、野球好きの読者のみなさん、ぜひご参照ください。
補足として、競技大会の種目は100m走、1500m走、立ち三段跳び、遠投、打撃、塁間走、塁間継投、1800mリレーの8つで、第一回から変更ありません。そのため過去現在の体力面におけるレベルを比較することができます。先ずは平成8(1996)年と平成28(2016)年の比較図をご参照ください(赤字は甲子園出場チーム)。
・この年の選抜には沖縄水産、夏は前原高校が出場しています。驚くべきは20年前の上位10傑の平均値が現在よりも70点以上低いことです。トップの沖縄水産は現代のレベルに匹敵する結果を残していますが、前原高校の305点は「えっ?」という感じを受けました。
・つぎは平成9(1997)年と平成29(2017)年との比較です。やはり上位10傑の平均値に開きがあることと、平成9年に春夏出場した浦添商業の結果が異常に低いのが印象的です(227点)。はっきり言うとこの年の浦添商業の選手たちは真面目に競技を行ったか疑わしいレベルです。ちなみに平成29年度は前年に比べると体力レベルが落ちてますが、それでも20年前に比べると格段に進歩していることが分かります。
・次は平成10(1998)年と平成30(2018)年度の比較です。この年に春夏出場した沖縄水産は学校史上最強クラスの戦力を誇りましたが、それでも20年後の球児に比べると体力面で劣ります。そして上位10傑の平均点で100点も差をつけられているのは驚きの一言です。
・平成11(1999)年と令和元(2019)年の比較図です。奇しくも両年とも沖縄尚学が甲子園に出場していますが、春のセンバツで優勝したチームよりも令和元年の選手たちの体力が優れているのが分かります。ちなみに令和元年の結果を見ると、夏の県大会で西原高校がベスト4に入ったのは納得、決勝戦で沖尚が興南に勝利したのは体力差を考慮すると凄いの一言です。そしてこの年までは(20年前の球児との)著しい体力差がうかがえます。
・平成12(2000)年と令和2(2020)年との比較図です。ここでようやく20年前の高校球児の体力レベルが現代に近くなります。平成12年は宜野座高校は春夏甲子園に出場しますが、体力レベルをみると納得できます。それと令和2年度の選手たちのレベル低下が気になりますが、原因はハッキリしていて糸満高校と沖縄水産の結果すごく落ち込んだため、上位10傑の平均値が下がってしまったのです。
いかがでしょうか。沖縄の球児たちの身体能力云々というフレーズは過去の競技会のデータを参照すると必ずしも当てはまらないことがお分かりかと思います。昭和のデータも入手次第当ブログでアップしますが、今回はこれにて終了します。