2017年1月7日に、第45回沖縄県高校野球部対抗競技会が開かれました。毎年恒例の競技会で、今年は興南高校が総合成績でトップになりました。先ずは記録をご覧ください。
1位 興南 419
2位 コザ 409
3位 知念 396
4位 沖縄尚学 391
5位 宮古 377
6位 那覇 366
7位 嘉手納 360
8位 首里 353
9位 前原 348
10位 糸満 339
今回の結果は、現時点でデータがない2016年を除いて、2011年以降では最も低い水準でした。特に印象的なのは、夏の新人戦と秋の県大会で優勝した未来工科が15位(326)とベスト10から陥落していることです。これは2006-2015年に限ると15年秋の覇者である中部商業以来になります。
ちなみに今年の総合トップの興南の419点は、歴代の中でも低い部類で、ブログ主が確認できる限り、
2001年 沖縄水産 403(400点越えは沖縄水産のみ)
2002年 中部商業 383(400点越えなし)
2005年 沖縄尚学 423(400点越えは4チーム)
2007年 沖縄尚学 410(400点越えは沖尚のみ)
2009年 興南 409(400点越えは興南のみ)
2015年 糸満 425(400点越えは糸満、興南のみ)
に匹敵するレベルです。ちなみに最高は2008年の浦添商業で474点です。それともうひとつの特徴が総合成績で400点を超えたチームが2チームだけで、これも歴代成績と比較しても低い水準になります。
ブログ主は2016年の秋の高校野球沖縄県予選の準決勝を観戦しましたが、2013年秋をピークに年々チームとしての完成度が下がっている印象を受けました。そして秋の九州大会の結果、および競技会の成績から、沖縄の高校野球が冬の時代に入ったことを確信します。
秋の段階で、高校野球のチームとしての完成度があまり高くない理由はハッキリしています。それは
・強豪校の分散化が著しいこと。
・中学時代に完成度の高い生徒の多くが本土の高校へ進学していること(野球留学)
の2点で間違いありません。特に野球留学の影響が強いですね。高校球児は冬のトレーニングで見違えるほど成長しますが、今年の春の沖縄大会の優勝チームが、春の九州大会であっけなく負けるようであれば、夏の甲子園も極めて厳しい状態になることは疑いの余地がありません。
だがしかし、ブログ主は悲観しておりません。たしかに沖縄の高校が九州や全国大会で敗退するのは悔しいのですが、その代わりに野球留学している県出身者の選手の活躍を見ることができます。今年の選抜も、出場が予想される秀岳館(熊本)、滋賀学園(滋賀)、早稲田実業(東京)に県出身者の選手がレギュラー挌で活躍しています。
言わば、高校野球の楽しみ方が変わってきたのです。ブログ主は野球留学に関しては大賛成の立場で、沖縄の生徒が本土の強豪校に進学してレギュラー挌で活躍することを大変誇りに思います。野球という狭い世界ではありますが、現代の10代が本土に対して対等意識を持っている何よりの証拠と考えます。
沖縄の高校野球の今後に悲観しないもう一つの理由は、指導者の若返りが著しいことです。沖縄尚学の比嘉監督は別格も、嘉手納高校の大蔵監督、浦添商業の宮良監督、未来工科の真玉橋監督など40代前後の若手の指導者をどんどん輩出しているのです。そのため、ここ数年は全国大会での成績がぱっとしないかもしれませんが、沖縄の高校野球の未来は明るいと言っても過言ではありません。
ブログ主は近い将来、2010年の興南高校に匹敵するチームが誕生して、再び沖縄中を熱狂させる日が来ることを確信しています。(終わり)