既報でご存じの読者も多いかと思われますが、今月15日付沖縄タイムス1面に “金秀「オール沖縄」推さず” の題字で金秀グループの呉屋会長が、オール沖縄に対しこれまでのようにグループとして支持や支援は行わない旨の記事が掲載されていました。
翌16日の沖縄タイムス2面、そして17日の社説はブログ主がチェックした限りでは冷静な論調でまとめられていましたが、ただし17日時点で読者の声にこの案件が記載されていないところを見ると、少なくともタイムス社編集部はショックを受けたのではと伺えます。
今回は試しに15日から17日までの金秀グループ関連の記事から、突っ込まざるを得ない部分をピックアップしましたので、読者のみなさん、是非じわじわ感を堪能してください。
まずは15日付沖縄タイムス総合2面の “政治勢力に地殻変動 / 金秀 / 「オール沖縄」と決別” の解説記事の〆の部分を書き写しました。
(中略)オール沖縄の支柱だった呉屋氏が不支持にかじを切ったことは、翁長氏が築いた勢力の瓦解とも言える。後ろ盾だった経済界の存在が極めて薄くなった勢力は「革新共闘」(県政野党)との見方もある。
一方、辺野古新基地建設に反対の民意は根強く、建設を強行する自民党政権への県民への風当たりは強い。衆議院のほか、来年には名護、沖縄などの各市長選、天王山の知事選を控える。勢力の立て直しには、知事の求心力強化が必要で、知事の指導力が問われる。
指導力に問題がある知事を推したのはどこの誰だと
新聞社に対して野暮な質問をするのは大人げないのでやめときましょう。
次は同月16日の呉屋会長のインタビュー記事の一部を紹介します。
金秀グループの呉屋守將会長は15日、浦添市内で本紙などの取材に応じ、オール沖縄勢力の不支持の理由などを語った。主なやりとりは次の通り。
– 不支持はなぜか
「2019年の県民投票で決着はついた。辺野古問題は法廷闘争になっているが、それだと20、30年も続く。経済人としてそんなにも長く政治的に闘うわけにはいかない」(下略)
つまりこういうことなんです。
2019年の県民投票で決着はついた(工事が止まるとは言っていない)。
次は “「腹八分」で結集 / オール沖縄、12年に起点” から一部抜粋します。
(中略)一方で、多くの政党や組織が関わるため「ガラス細工」とも言われた。18年4月、金秀、かりゆしの両グループは、特定の政党色が強くなったなどとして政党、労組、企業、市民団体などでつくる「オール沖縄会議」から脱会した。
特定の政党色というパワーワードがじわじわきます。
最後に16日総合二面の “ニュース断面 / オール沖縄後ろ盾を失う” から秀逸な〆を紹介します。
自民議員の一人は、支柱を失ったオール沖縄の弱体化を見通し、こう言った。
「あの勢力は翁長雄志というまれな政治家がつくった芸術作品だ。他の誰かが手にしても意味はない」
この発言はオール沖縄を芸術作品に譬えているのがポイントで、つまりこの自民党議員はオール沖縄のことを、
(鑑賞のみで)実用性は皆無の政治勢力だ
と馬鹿にしているんです。そしてそのことに気が付かず至言を評した新聞記者がいたことを指摘して今回の記事を終えます。
「オール沖縄」について自民党議員の至言。
「あの勢力は翁長雄志というまれな政治家がつくった芸術作品だ」https://t.co/7IOdScWV8p
— 阿部岳 / ABE Takashi (@ABETakashiOki) September 16, 2021