前回当ブログにおいて沖縄水産高校野球部について言及しましたが、今回は秋季大会準優勝チームである興南高校野球部を紹介します。ブログ主は今大会3試合(沖縄工業、知念、嘉手納)観戦しましたが、準決勝の嘉手納高校との試合を観戦した限りでは余裕で優勝すると思い込み残念ながら決勝戦は見に行きませんでした。結果は沖縄水産相手に予想外の大敗を喫してしまいますが、現時点のチームの特徴や課題についてはブログ主なりに把握できましたので、当ブログにて調子に乗って解説します。野球好きの読者の皆さん、是非ご参照ください。
秋季大会の成績
今大会の興南高校(以下興南)は準決勝までは実に安定した戦いぶりを見せてくれました。新チームも相変わらず相手のスキを遠慮なく突いてくるえげつなさは健在で、前チームの良さをそのまま引き継いでいる印象を受けました。今年のチームも前チームと同じく若干長打力には欠けても1イニングで大量得点を取ることができ,、例えば3回戦の知念高校との試合では初回に一気に7点を取ってそのまま逃げ切りました。容赦なく相手のスキをついて大量得点を狙う野球は沖縄の高校野球では異質で、関西のチームを思わせるものがあります。
決勝戦で沖縄水産(以下沖水)に大敗した理由のひとつが守備が不安定であったことです。とくに内野手のエラーが散見されたのが気がかりですが、もしかすると甲子園出場組(根路銘、勝連、西里)のモチベーションが気が付かないうちに低下していたのかもしれません。それと前チームのレギュラーと新チームからのスタメンとの間にレベル差があって、チームをまとめるのに一苦労しているようにも見受けられました。この点はスタメンのレベル格差が小さい沖水と対照的で、決勝戦で負けた一因かもしれません。
ブログ主は決勝戦の敗北は気にしなくてもいいと判断しています。むしろ決勝での敗北はチームの課題が浮き彫りになったと前向きに捉えています。ディフェンス面の強化と新チームからのレギュラーメンバーのレベルアップは時間が解決しますので、心配することはなさそうです。ただし2番手投手の育成には若干時間がかかるかもしれません。この点はクリアできるか気になるところです。
秋季大会準決勝のスタメン
決勝戦は知念勇気君に変わり、本来サードで打撃のいい兼城裕明君(163㌢/63㌔/右・右)が5番レフトでスタメン出場しました。新チームからエースナンバーを背負う宮城大弥投手は準決勝の嘉手納高校との試合で強打の打線相手に16奪三振という圧巻の投球を見せてくれました。最速141㌔のストレートを内外角に投げ込む制球力と、今大会はスライダーの切れとコントロールが超絶パワーアップした印象を受けました。準決勝ではスライダーのあまりのエグさに嘉手納の打者が対応できず、スライダーが打者の頭の中にこびりついてしまったために今度はストレートに振り遅れるという最高の投球内容でした。しかも彼は牽制が抜群にうまく、ランナーを塁に閉じ込めることができます。牽制のレベルなら沖縄の高校野球史上No1かもしれません。
彼の欠点は調子に波があることです。甲子園でも初戦の土浦日大戦はほぼ完ぺきの投球でしたが、次の木更津総合との試合ではいまいちの内容でした。ブログ主が観戦した夏の県大会でも八重山との試合は調子が上がらず途中ノックアウトも、決勝の糸満との試合では神投球を見せてくれました。今大会も準決勝と決勝では投球内容が違い過ぎるので、この点をどこまで修正できるかが九州大会を勝ち進む上でのカギになります。
今大会はエラーが多かったとはいえ、根路銘、西里、勝連、そして遠矢くんに関しては特に心配していません。ただしスタメンのレベル格差が予想以上にあるので、新チームからのレギュラーメンバーには頑張ってほしいところ、特に投手陣は奮起が必要です。
九州大会はワンツーフィニッシュを期待
他府県のチームに関して情報を持ち合わせていないため断言はできませんが、今年の沖水と興南は両チームとも優勝候補に挙げてもいいかもしれません。興南に関しては現時点でチームに課題はあるものの前チームからのレギュラーメンバーのレベルが高く、特に根路銘太希、宮城大弥という全国トップレベルの選手を2人も擁しています。ちなみに興南に勝つにはトップバッターの根路銘くんを完全に抑え込み、そのうえで宮城くんを攻略する必要がありますが、そんなチームは九州はおろか全国でも見当たらないでしょう。平成25年度(2013年)の秋季大会では沖縄尚学が優勝、美里工業が準優勝しましたが、今回はひさびさに九州大会で沖縄のチームが躍進すると予想しています。九州大会の決勝で沖水vs興南の試合が実現し、そして両チームともに選抜出場を願いつつ今回の記事を終えます。
参考動画(沖縄タイムス公式動画チャンネルより)