今月5、6日、ブログ主は第74回沖縄県高等学校野球秋季大会(以下秋季沖縄大会)の準決勝および決勝を観戦してきました。ご存じのとおり沖縄尚学は2年ぶり11度目の優勝を果たして大会は終了しましたが、この世代は沖尚とエナジックの2校が頭一つ抜け出した感があります。
チーム個々の分析は後日アップすることにして、先ずは新人大会優勝のエナジックがなぜ秋季沖縄大会で負けたかを考えてみたのですが、よくよく考えてみると、エナジックは創部3年目で、今年が初の「代替わり」なんです。その影響はけっこうあって、準決勝と決勝の試合を見た限り、エナジックの試合運びにちぐはぐな点が散見されたのです。
象徴的なのが準決勝のウェルネス戦、1回表のノーアウト1,3塁の絶好機に、3番砂川君があっさりスクイズを決めて先制点を奪ったシーンです。この場面、去年のチームならじわじわ攻めて相手の守備のリズムを崩しにきたはずです。実際に初回はこの1点のみで、ウェルネス守備陣にダメージを与えることができなかったのです。
それでいて決勝は足でかき回すシーンが散見されたり、打撃重視の割には選手たちの振りの強さにバラつきがあるし、新チームはまだ「方針」が確立していないんだなと痛感しました。
そのような状態で新チームは好成績を上げてますが、その理由は前の代からのレギュラーたち(イーマン、砂川、福本)が活躍していたことと、新戦力の久高投手、山城捕手が(戦力として)計算できるレベルにあったからです。とくに久高投手は「なぜこの選手が夏の大会で投げなかったのだろう」と思えるほどの素晴らしい投球を見せました。もちろんほかの選手たちの質も高いので、九州大会までにどれだけチームの完成度を上げることができるかが、センバツ出場のカギになるかと思われます。
優勝した沖尚のこの世代は去年の秋からレギュラーを務めている選手が多数残っており、それ故に既にチームの骨格が出来上がっています。そして夏の大会で見られた「振りの鈍さ」を克服し、秋季大会では各選手たちがセンター中心に強く振ることを心がけていたのが印象的でした。
実はこの代の沖尚は選手層の厚さがエナジックやほかのチームとは段違いなのです。というのも控え選手も含めて(身体能力系というよりは)野球センスの高い選手たちが集まっており、実際に決勝戦でも途中出場した選手たちが、投手も野手も普通に活躍していました。
決勝戦では意地もありましたね。今年に入ってから沖尚は公式戦でエナジックに負け続けてますから、九州大会が決まった秋季沖縄大会の決勝戦とはいえ、「負けられない」という執念を選手たちから強く感じました。
今年の沖尚は野球センスのある選手たちに末吉良丞君という傑出した投手が加わって、投打のバランスが高いレベルで嚙み合っています。それ故に九州大会は2勝がノルマ、センバツ出場は当然で、1年生投手陣の出来次第では2年ぶりの神宮出場も見えて来たと確信しています。実は令和7年(2025)の沖縄県のレベルは高いとブログ主は見ていますが、その頂点にたつ沖尚がセンバツ出場を逃すと、沖縄の高校野球の今後に暗雲が立ち込めるのではと思わざるをえません。
次回からは、ブログ主が調子に乗って今年のエナジック、沖尚の戦力分析をアップします。