津田大介さんに送りたい言葉

今月14日の沖縄タイムス社会面(30)に『デマの訂正が必要』と題した記事が掲載されていました。内容は先の県知事選におけるネット上の誤情報に対する会合が開かれ、ジャーナリストの津田大介さんが講演したとのこと。さっそくですが該当記事の全文を抜粋しましたので、読者の皆さんぜひご参照ください。

「デマの訂正が必要」

県知事選巡り – 津田さんが講演

県知事選の報道を振り返る反戦ティーチイン「どうなる辺野古新基地 – 分断社会を問う」(主催・県マスコミ労働組合協議会)が13日、那覇市内で開かれた。ジャーナリストの津田大介さんが「ネット上に誤情報があふれたが、新聞やネットユーザーが素早く事実を伝え、ファクトチェックが機能した選挙だった」と評価した。

津田さんは世界人口76憶人のうち、ツイッターなどソーシャルメディアを利用する人が4割の31憶人に達し「誰でも情報を発信でき、選挙でも大きな力になった」と指摘。デマや煽情的な言説の方が拡散しやすく、ビジネスや世論工作として悪用されていると述べた。

沖縄タイムスや琉球新報、琉球朝日放送の記者も登壇。情報の真偽にを確かめる取り組みについて「デマが特定の候補に偏り、選挙報道の公平性の面で課題が出た」と語った。

津田さんは「ファクトチェックは、有権者が誤情報も基に投票するのを防ぐ公共性に意義がある。形式ばった公平性ではなく、ガイドラインを立て、選挙前に候補者に通知し、デマをリアルタイムで訂正していくことが必要」と提言した。

上記引用において、津田氏は「ファクトチェックは、有権者が誤情報も基に投票するのを防ぐ公共性に意義がある。形式ばった公平性ではなく、ガイドラインを立て、選挙前に候補者に通知し、デマをリアルタイムで訂正していくことが必要」と正論を述べています。だがしかし何か微妙な違和感を覚えたのは気のせいでしょうか。

選挙に限らずネット上の誤情報には何らかのファクトチェックが必要でしょうが、そうなるとツイッター上でうっかり発言を配信している津田さんが真っ先に対象になるのではと危惧せざるを得ません。それとファクトチェックのガイドラインは民間主導で行うと強制力が欠ける可能性があることと、公的機関で行うと「報道しない自由」が蔓延する恐れがあります。試行錯誤しながら時間をかけてゆっくりゆっくり基準を作成するのがいいのかもしれません。

最後にこの記事を読んで思い出した一節があります。下記参照ください。

孟子曰く、人の患いは、好んで人の師となるにあり(離婁上句23)。

孟子がいわれた。「世間の人の悪い癖は、〔それほどでもないのに〕とかく他人の先生になりたがることだ」

引用:小林勝人訳注『孟子(下)』(岩波書店)

たしかに世間にはそういう困った人がいるなと痛感しつつ、今回の記事を終えます。