【速報】第100回全国高等学校野球選手権記念沖縄大会(沖縄尚学vs読谷)

先ほど(7月13日12時10分プレイボール)沖縄セルラースタジアム那覇にて行われた、第100回全国高校野球選手権記念沖縄大会の3回戦、沖縄尚学vs読谷の観戦レポートを掲載します。本日セルラースタジアムでは3回戦2試合(糸満vs真和志、沖縄尚学vs読谷)の試合が予定され、第一試合は糸満高校が 9-5 で真和志高校に勝ちました。

本日のセルラースタジアムはやや曇り空、風はレフトからライト方向に吹いており、理由は不明ですが内野ゴロがイレギュラーする傾向がありました。第一試合が2時間半を超えるゲームになりましたので、第二試合は予定より少しおくれて12時10分の開始です。先に両チームのスタメンを掲載します。

試合結果は沖縄尚学が 10-1 で8回コールド勝ちします。6回まではほぼ互角の展開でしたが、8回表に一挙7点を追加した沖尚が逃げ切りました。

今回注目は、読谷高校の左腕の好投手・金良宗一郎君(178㌢62㌔)で、ブログ主は今回始めて現場で彼の投球を見ることができました。彼は面白いことに、オーバーハンドおよびサイドハンドを使い分けて丁寧にピッチングできます(平均球速は 120㌔前半)。一番威力がある球はサイドハンドから投げたときの(右打者から見て)外角のストレートでした。

オーバーおよびサイドハンドから投げ分けるということは、打者からみて軌道が4種類になりますが、今回沖尚の打者はサイドハンドから投げるカーブ(あるいはスライダー)を狙い撃ちします。

この試合の金良くんは②および③の軌道中心の投球でした。①の軌道にもオーバーあるいはサイドハンドからストレートや変化球を投げていましたが、一番精度が良かったのが③の軌道に投げる変化球です。逆にいえば、③の軌道の変化球を打ち崩せば金良くんをノックアウトできる可能性が高くなり、実際に8回の長打2連発で彼は降板します。ちなみに2回表の譜久村君、および7回表の二ノ宮くんのタイムリーも③の軌道にサイドハンドから投げる変化球を狙い撃ちました。

今回特筆すべきは7回の攻防で、レフト前ヒットで出塁した池間くんが、金良くんのモーションを完全に盗んで2盗、3盗に成功します。その後トップバッターの二ノ宮君にタイムリーを打たれて金良くんは完全に心をへし折られてしまいます。読谷高校のミスは、8回表にも金良くんをマウンドに送ったことです。これが致命的となり、その後読谷投手陣は沖尚打線に捕まってしまい痛恨の7失点を喫します。読谷には投げっぷりのいい背番号10の右腕東江くんも控えているので、8回頭から彼が登板すれば…とちょっと悔やんだ次第であります。

沖尚先発はエースの知念大成くん、本日は3回裏に146㌔を計測するなどキレッキレ状態でしたが、コントロールが実に不安定で6回裏終了時点(沖尚2-1読谷)では試合がどちらに転ぶか正直分りませんでした。7回表に3-1になったあと、知念くんに見切りをつけて安定感のある左腕新垣君を登板させて相手の反撃ムードを断ち切った比嘉監督の采配は素直にすごいと感服しました。

今日の試合の沖縄尚学は、時間をかけて相手投手の生命線(③の軌道に投げる変化球)を潰し、その後一気に加点して、しかも相手に反撃する隙を与えない完璧なゲーム運びを見せてくれました。文句のつけようがない勝利で、今の沖尚なら全国ベスト16あるいは8クラスの力量があると看做しても構いません。ブログ主は今年の沖縄尚学チームの公式戦は8試合ほど観戦しましたが、今日はじめて「強い」と実感しました。2日後のベスト8の試合が今から楽しみでしょうがありません。(終わり)