6月23日から絶賛開催された、第100回全国高等学校野球選手権記念沖縄大会も昨日(23日)沖縄セルラースタジアム那覇にて決勝が行われ、興南高校が5-0で糸満高校に勝利しました(2年連続13回目の出場)。すでに新聞報道等でも試合詳細は報じられていますが、折角現地観戦をしたブログ主が、今年も調子にのって決勝戦の観戦レビューを掲載しますので、野球好きの読者の皆さん、是非ご参照ください。
・23日の沖縄セルスタは曇り空、前日同様センターからホーム付近に強風が吹いていたので、意外にも快適な観戦になりました。ただし中継スタップは汗だくで動き回り、実に大変そうでした(写真はOTVのスタップ)。
・両チームスタメンです。糸満は一番山城裕貴くん以外はすべて3年生、興南は仲村匠平、塚本大雅、比嘉龍之介、里魁斗くんの4人が3年生で、8番サードに1年生の西里颯くんが抜擢されています。注目は糸満高校がスタメンに8人右打者を並べてきたことです(銘刈樹くんだけ左打者)。
・5回裏終了時点です。ここまで試合時間は1時間10分と高校野球としては標準的、興南先発の左腕宮城くんがパーフェクトピッチングで場内がちょっと異様な雰囲気になっていました。
・試合終了です。準決勝まで強打で勝ち進んできた糸満高校打線は興南高校の宮城 – 遠矢のバッテリーの前に完全に沈黙しました。
この試合おいて、糸満高校は右打者を並べて宮城君のインコースより速球に的を絞る作戦でした。だがしかし、糸満にとって誤算だったのが、この試合における宮城君の投球です(図解してみました)。
右打者にとって、最も遠いところの制球が抜群(しかも変化球でカウントを稼ぎまくり)ではっきりいって”お手上げ”の状態になります。この日の宮城君のストレートは130㌔中盤前後でコントロール重視の投球でしたが、外角低めにストレートや変化球をポンポン決められたら高校生のレベルではどうしようもありません。こんな投球されたら(たとえば)智辯和歌山か大阪桐蔭の選手達をつれてこないと、とても攻略できません(絶好調のときの田口麗斗投手(巨人)の投球を見ている感じです)。
糸満高校にとってもうひとつの誤算は、エースの金城龍史朗くんの不調です。準決勝の投球とくらべてストレートの球速が5㌔近く落ちていましたので、なにかトラブルを抱えていたのかもしれません。コントロールも不安定でしたので、流石に興南打線は見逃してはくれませんでした。
この試合は5回に興南高校が2点追加して3-0になった時点での絶望感が半端ありませんでした。その象徴が6回裏に2アウトから9番の金城(絢)くんがセンター前ヒットで出塁も、盗塁を仕かけてアウトになったシーンです。この試合に関してブログ主は”糸満より”で観戦していたため、バックネット裏でも絶望感ただよう展開に困惑していましたが、実際にグラウンドで戦っている糸満ナインを襲う重圧はものすごいものがあったと想像できます。
この試合の宮城君の投球成績です。
球数96もすごいが、一番エグいのが打者27人で終わっていることです。去年の決勝も凄い投球でしたが、今年はそれよりも上をいく内容です。彼は沖縄の高校野球の歴史上”決勝戦に愛された男”として永遠に語り継がれることは間違いないと思いつつ、ブログ主は球場を後にした次第であります(終わり)。