歴史は繰り返す。

11年前の平成22(2010)年1月24日行われた沖縄県名護市長選挙の結果、普天間基地の辺野古移設に反対する稲嶺進候補が当選したことに関して、同月27日に内閣に提出された質問主意書が実に興味深いので一部紹介します。

ちなみに提出者は鈴木宗男衆議院議員(当時)で、質問内容は鳩山内閣にとって痛い点をついているのと、名護市長選挙の結果を受けて翌日の平野博文官房長官(当時)の物議をかもした見解に言及しているのは特筆に値します。

沖縄県名護市長選挙の結果を受けた内閣官房長官の発言に関する質問主意書

本年一月二十四日、沖縄県名護市長選挙が行われ、米軍の普天間飛行場を同市の辺野古沖に移設するとする現行の日米合意に反対する稲嶺進氏が当選を果たした。右を踏まえ、質問する。

一 今回の名護市長選挙において、民主党、社民党、国民新党の連立与党は稲嶺氏を推薦していたと承知する。今回の選挙結果につき、鳩山由紀夫内閣はどの様な見解を有しているか。
二 平野博文内閣官房長官は本年一月二十五日の記者会見において、稲嶺氏が当選したことが普天間飛行場の移設問題にどの様な影響を与えるかとの問いに対し、「一つの民意としてはあるだろうが、検討していく上においては、あまりそのことも斟酌してやらなければいけないという理由はないと思っている。」と述べたと承知する。先の名護市長選挙の結果は、紛れもなく普天間飛行場移設問題に最前線で相対している地元住民の民意の表れであると考えるが、平野長官として、それを斟酌しなくてはいけない理由はないと考えるのはなぜか。(下略)

ちなみにこの質問に関する回答は以下参照ください。

衆議院議員鈴木宗男君提出沖縄県名護市長選挙の結果を受けた内閣官房長官の発言に関する質問に対する答弁書

一及び二について

 平成二十二年一月二十四日に執行された名護市長選挙の結果は、名護市民の民意の一つの表れであると受け止めている。
御指摘の発言は、普天間飛行場の移設問題について、現在、内閣官房長官を長とする沖縄基地問題検討委員会において、特定の前提を置かず、あらゆる選択肢を幅広く検討しているとの趣旨を述べたものである。

答弁書の太字の部分に関して、誤解を恐れずにはっきり言うと、名護市長選挙の選挙結果を尊重しないケースもありうると回答しています。そしてこの答弁書の通り、鳩山内閣は普天間基地の辺野古移設を閣議決定しました。

今日改めて答弁書を読むと、鳩山政権として普天間基地の辺野古移設は避けられないと判断していたことが伺えます。それならばなぜ移設反対派の稲嶺氏を政権与党の民主党が推薦したのか、納得いく説明は今日にいたるまで聞いたことありません。“調整ができない” と揶揄された鳩山内閣らしいといえばそれまでですが、政権与党がここまで地方自治体をバカにしたケースは記憶にありません。

政治の世界において “二枚舌” は避けられないことは重々承知も、そのツケを払わされる有権者はハッキリいってたまったもんじゃありません。できるかぎりそのような事態を避けるように慎重に政治を行なうのが政権を担当するものの責務であります。そして

浦添市長選挙の結果、かつての名護のように有権者にツケを払わせるような事態が起こらないことを

ブログ主は切に願う所存であります。