9月11日に琉球大学において「東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会」が主催する公開シンポジウムが開催されました。沖縄の自立や独立をテーマとして幅広く議論を行うことが目的のようですが、研究会の名誉顧問に鳩山由紀夫氏が就任したことについてはさすがに突っ込まざるをえません。張本勲さんではありませんが「喝!!!!」と大声で叫びたい気分です。
ブログ主は普天間基地の辺野古移設問題を解決不能にした張本人を研究会の名誉顧問に就任させる神経がよくわかりません。体を張ったギャクでしょうか?考えれば考えるほど意味不明なのですが、では鳩山氏と普天間基地問題の歴史を調子に乗って解説しますのでご参照ください。
2008/07/08 民主党(現民進党)が公開した「民主党・沖縄ビジョン」において「普天間基地の辺野古移設は、環境影響評価が始まったものの、膠着状態にある。米軍再編を契機として、普天間基地の移転についても、県外移転の道を引き続き模索すべきてある。言うまでもなく、戦略環境の変化を踏まえて、国外移転を目指す」と明記。(在沖米軍基地の大幅な縮小を目指しての項目より抜粋)
2009/07/19 鳩山氏は那覇市の集会において「県外移設に県民の気持ちが一つにならば、最低でも県外の方向で、われわれも積極的に行動を起こさなければならない」と明言。
2009/09/16 8月30日の第45回衆議院議員総選挙の結果鳩山由紀夫内閣が発足。
2010/01/24 沖縄県名護市長選挙で辺野古受け入れ反対の稲嶺進氏が当選。この選挙では民主党は稲嶺氏を支援。
2010/01/25 平野博文官房長官が「一つの民意としてはあるだろうが、検討していく上においては、あまりそのことも斟酌してやらなければいけないという理由はないと思っている。」と発言。この発言に県民激怒。
2010/02/24 沖縄県議会が「米軍普天間飛行場の早期閉鎖・返還と県内移設に反対し、国外・県外移設を求める意見書」を採択。その後仲井眞弘多知事は辺野古移設反対に方針変更。
2010/05/04 鳩山首相が来沖、仲井眞弘多知事と会談し「普天間基地の県外移設は難しい」と明言。
2010/05/28 鳩山首相が来沖、仲井眞弘多知事と会談して、自民・公明の連立政権時代に合意した辺野古移設でアメリカ政府と合意文書を交わす方針を説明。メンツをつぶされた仲井眞知事は大激怒。
2010/05/28 日米両政府は普天間基地飛行場移設に関する共同説明を発表し、移設先を名護市のキャンプシュワブ辺野古岬地区とこれに隣接する水域とする(なお閣議決定に反発した福島瑞穂氏は鳩山氏によって罷免される)。
2010/06/02 鳩山首相が辞任を表明。
いかがでしょうか。鳩山氏は2009年の第45回衆議院総選挙前までは「最低でも県外」を明言して、政権発足後に手のひらを返して現在のキャンプシュワブ辺野古岬地区に移設を閣議決定したことが分かります。普天間基地の辺野古移設問題を解決不能にした人物を沖縄の自立・独立の研究会の名誉顧問に就任させるにはあまりにも不適格と思いますが読者はどのようにお考えでしょうか?
ちなみにこの研究会は大田昌秀氏も名誉顧問に就任しています。その発言要旨で「鳩山由紀夫元首相が東アジア共同体を東京と沖縄につくられたことを大変うれしく思う」と述べています。大田氏は「悲惨な沖縄戦の歴史を忘れてはいけない。」との信念で活動されている方ですが、いかなる理由で直近の歴史についてはド忘れしているのでしょうか?それとも忘れていい歴史と忘れてはいけない歴史を無意識のうちに判別しているのでしょうか?そのあたりは判断できませんが、常人の発想ではないことは間違いありません。
以前ブログにて「琉球独立の最大のリスクは軍事でも経済でもなく、独立後に国家運営の主導権を握る独立論者たちの存在です。」と記載しましたが、今回の「東アジア共同体・沖縄(琉球)研究会」のメンバーのやり方をみると沖縄を独立させてはいけないと確信します。自分が愚かと分かっていない本当の愚か者に権力を持たすほど危険なことはありません。思想・信条は自由ですが行動や表現には責任が伴います。残念ながら研究会のメンバーには責任感が極めて欠如しているとしか思えないのです。
最後に懐かしい鳩山氏の動画は貼り付けします。 ご参照ください。
【追記】もう一つ動画はアップします。