復帰世代の落とし穴

ここ数日、ブログ主は過去記事を複数チェックしていましたが、「世代間の溝を埋めよう」と題した記事(2017.10.03)と、その2年後にアップした「沖縄県民の分類法」を再読した際に、ふと思いついたことがあり、ためしに記事にまとめてみました。

世代間での分類法については、すなわち昭和25年(1950年)前後に誕生した世代を中心とした戦後世代昭和45年(1970年)前後に誕生した復帰世代そして平成3年(1991年)のソビエト崩壊前後に誕生した平成世代という分類方法です。(沖縄県民の分類法)」で既に言及していますが、今回は復帰世代の “特性” についてブログ主なりに深堀していきます。

その理由は、近未来の沖縄社会の行方を予測する上で、滅びゆく戦後世代の “アイデンティティ” に代わるものとして、第二次ベビーブームに生れた復帰世代(50~55歳※)の感性を分析しておくのが一番だと判断したからです。ちなみに、この世代を語る上で見逃せない事象として、

1.沖縄の歴史上、生まれたときから健康保険制度などのセーフティーネットの恩恵を受けた初めての世代であること、

2.若い時代にソ連および東欧の崩壊を目の当たりにし、共産主義に対する幻想が皆無な世代であること、

3.新聞やテレビなど既存メディアの影響を強くうけた「最後の世代」であること

になります。つまり復帰世代は、大雑把にまとめると、「現代社会には概ね満足しているが、どこかになにか不信感を抱えている」とのやや不安定な心情の持ち主と見做しても誤りではありません。それゆえに復帰世代は「物事を斜めに構えて見ることを好し」とする興味深い性質があります。

※第二次ベビーブーム(昭和45~49年)に生れた世代を想定していますが、もう少し範囲を広げて昭和55年生まれまでの40代中盤まで含めても構いません。

復帰世代の抱える「不信感」はもちろん人それぞれですが、それが大きければ大きいほど「(強いものに対して)物申す※」ことに対して無上の喜びを覚える傾向があります。つまり「物申す」行為それ自体に価値を感じているわけであって、本気で何かを変えようと思っている訳ではないのです。このあたりの心理は復帰前後にガチの抗議活動を何度も繰り返した戦後世代との大きな違いです。

※不信感をこじらすと、保守・革新とも「限界突破」しますが、そんな彼らを受け入れるだけの余地はもはや我が沖縄にはありません。

沖縄社会も戦後世代が社会活動からの引退時期に差し掛かっています。そして壮年期から老年期に差し掛かった復帰後世代が次の社会の担い手になりますが、彼等には日本国民として、そして沖縄県民として次の世代にスムーズにバトンに渡す役割が求められます。つまり

沖縄における総保守時代の先導役

になるとブログ主は想定しています。

最後に、復帰世代の「欠点」について言及しておきますが、平成に入ってからインターネットの普及に伴う「情報の洪水」に対して脆弱な部分があります。具体的には「自分の都合のいい情報だけを取り扱う」傾向が平成世代よりも復帰世代のほうがはるかに強いのです。それもそのはず、現代の若い世代は生まれた時から情報の海の中で育ってますから、「情報の捨拾選択」のセンスが中高年とはまるっきり違います。そんなことも考慮せずに、SNS云々ガーとか唱える50代に対して、若い世代たちは

この老害が

と内心蔑んでいるんだろうなと痛感しつつ、今回の記事を終えます。