ロックとコザ(1994)川満勝弘(愛称:カッちゃん)編 – その23

□ヘビのステージング 辺野古のステージでは、ハブでやっていたし、コザ方面ではアカマターとかニシキヘビでやっていましたよ。

人間には怖いという感覚がありますが、怖いというのや苦手なものというのには、けっこう私はむかっていくタイプなんですよ、私も怖いから。

しかし、よく見たらこれさ、よく手も足もなくてこんな口だけあけて、よくこんなして長い間生きられるなと考えたりするわけですよ。なんか非常に不便しているんじゃないかなと思ったりしてね。人間だったら手足があってだいたいのことはできるし、普通ヤモリとかも足はあるでしょう。でも、蛇は触ったら冷たいし、貧血気味ヤッサーとも思うんです。冷血動物というのは血圧が低いですから振り回したりしたらすぐ死んでしまうんですよ。本当、蛇は振り回すとすぐ息をひきとるんです。

一度、蛇で失敗したこともあるんですよ。私あっちのライブハウスでやっていて、かっこ良くきまっているときに、ニシキヘビを入れるぞって口の中に入れたら、普通はあごを口で押さえて口の中では開かないようになっているわけですが、これが汗ですべってしまって、蛇の口が開いたまま私の口に入れてしまったんで、ちょうど舌に咬みついてしまったんですよ。

そしたら、ベースもギターもドラムも「あらっ、カッちゃん今日ちょっとおかしいんじゃない。なんで、普通は血が出ないけど口から血が出てるよ」と気づいて、客席も「あれっ」と気づいているわけです。

それで後ろをむいたら、ドラムが「アイエー(うわっ)カッちゃん、ドラムソロしておくよ。その間にはずしておいで」といってくれてんですが、これがなかなかはずれないんですよ。舌ってやわらかいから切れてしまっているし、これは痛いですよ。でも、それなりの強いアルコールでゆすいで、病院には行かないでも大丈夫でしたよ。

私は靴から🍺飲んで20年、鼻から🚬吸って10何年かになりますが、

まだ病院に入ったことはないですね。飲むたんびに違う靴ですよ、お客さんの。もうコンサートなんか全部そうです。

今では毎週金曜日と土曜日には、私のライブハウスで飲んでいるんですよ。

□私の店 私の店は空港通りにあるんですよ。そこで、毎週金、土に夜中の10時半か11時ぐらいから午前3時ぐらいまでライブをやっています。まともな歌じゃないよ。午前3時までこうやっているんだよ。いつか店から追い出されるんじゃないかな。

私の店はハブ酒が飲めます。ハブ酒は、ハブと一緒に鹿の角や虎の爪、トカゲと、それに中国の漢方薬も五種類入っているんです。さらに100パーセントオレンジジュースもあります。

また、たまにオルガンの下にアカマター(ヘビ)が逃げていたりします。練習していて使ったヘビが、店に入ってきた女性がお手洗いに行くと蛇が便器の中で水を飲んでいたりします。それで「ギャー」と叫びながら出てくるので、「なんで、どうしたの君」と聞くと、「へ、蛇が便器の中に入ってる」というわけです。「あー、これ水飲んでいるんだよ」といってどかしたりして、あきれかえるんですよね。