□演奏中に大げんかを「演出」 そして、一〇年ぐらいたってからまた暴力団がやってきて「カッちゃん、クゥンドー・ワッター・トー・チガイン・ドー。クゥンドー・イッター・ヌガーラサン・ナー(今度は俺たちと違うぞ。今度はもうお前たちも逃げられないぜ)」というので、私が「ヌーガ、ヌーンチ(何が、何でよ)」と聞くと、「クゥンドー・ヤマトゥ・カラ・チョーン・ヨー・ヒャー(今度はヤマトから来てるんだぜ)と暴力団がいうんです。
「ヤマトゥ・カラ、ヌーヌ・ヨ(ヤマトから、何がよ)」と私が聞き返すと、「ヤマトゥヌ・ヌーン・ディガ、山口組系ヌンガラ・キンガラ・ンディ・イーシガ、ワッター・ウリガ・子分・ナタン・バー・ヨ、アイナ、ナー・デージ・ナトー・サ(ヤマトのなんていうか、山口組系の何とかっていうのだけど、俺たちこれの子分になったわけよ、もうお前たちもたいへんなっているさ)」というので、私が「ハーヤー、ジュンニ・ナー(へえ、本当にか)」と驚いていると、「クゥンドー・ヨー・五〇ドル・アラン・ドー。クゥンドー・ヨー・復帰ソー・シェー・ヤー、ナー・何万円・ヤサ。ヤー・ワンネー・イチャ・シェー、アヌトゥキ・ニ・ドゥシ・グヮー・ソーケー・カラ・イッター・ヌーン・アラン・テーン・ムンヌヤー(今度は五〇ドルじゃないぜ。今度は復帰しているから、もう何万円だよ。だから俺にいっただろ、あのときに友だちになっておけばお前たち何でもなかったのにな)」というんです。
「ハーヤー、イチ・チュウ・ガ、ウッター・ヤ。ウッター・縄張り料・ムル・トゥイン・バー(そうか、いつ来るのかこれたちは。こいつら繩張り料みんな取るのか)」と私が聞くと、「そろそろヤル・ハジ・ドー。イッター・ビカー・アラン・ドー、すべての水商売からムル・トゥイン・ディ(そろそろだはずよ。お前たちからだけじゃないぜ、すべての水商売からみんな取るってよ)」と下っぱが話しているわけです。
復帰して本土からヤクザが流れて来て、直系のヌーヤン・キーヤン(なんだかんだ)とかがあって、「あの辺にも来ているよ、来てるよ」という情報が流れていましたから、「エー、リッカー(おい、さあ)縄張り料を払うぐらいなら偽装解散をしよう」ということになって、それで「営業中の一番お客が入っているときに経営者のオーナーが見ているところで、お前とお前が大げんかしろ」と、ドラムとベースとギターが大げんかする演出をしたわけです。(続く)