俺が調子に乗って沖縄市長選について語ってみよう(番外編)

今月9日投開票の浦添市長選に絡んで、なにか面白い情報がないかと思いつつ、これまで蒐集した新聞記事をチェックしてみたところ、前年6月16日に行われた沖縄県議選での県政与党の大敗に関する山城博治氏のインタビュー記事を見つけました。

オール沖縄陣営の “今後” について述べた部分が極めて興味深いのですが、改めてこの記事を読み直したところ、先月26日に行われた沖縄市長選の仲村陣営の “敗因” が理解できたような気がしたので当ブログでまとめてみました。

まずは、山城氏のインタビュー全文をご参照ください。

自衛隊問題にも軸足を / 山城博治さん平和運動センター顧問

2014年に誕生した翁長雄志知事率いる「オール沖縄」勢力とともに、名護市辺野古の新基地建設阻止運動をけん引してきた沖縄平和運動センター顧問の山城博治(71)が17日、本紙のインタビューに応じた。県議選で県政与党が大敗した背景として、オール沖縄の弱体化を指摘。南西諸島で配備増強を進める自衛隊問題にも、軸足を置くべきだと強調する。(聞き手=社会部・大野亨恭)

「オール沖縄」弱体化指摘

県議選で与党が大敗した。オール沖縄勢力の退潮か。

「翁長知事が誕生した頃のような熱気は確かに冷めてきている。辺野古への動員力も以前に比べて弱くなっているのは事実だ」

辺野古問題が争点にならないのは県内に諦め感が広がっているからか。

「来月で辺野古ゲート前での座り込みは10年になる。辺野古問題が長期化し、加えて国は知事の代わりに埋め立てに向けた工事を承認する代執行を強行した。県民に厭戦感が広がっているのは確かだろう。ただ政府がいう『辺野古が唯一の選択肢』を県民が受け入れているとは思わない」

だが、厳しい結果が出た。

「オール沖縄は辺野古のワンイシューでやってきたが、南西諸島への自衛隊配備増強など現状の課題にも取り組むべきだ。オール沖縄を構成する労組で、意見の違いがあることは理解している。だが、自分たちの立場を超えて議論すべき時期にきていると思う」

「辺野古が一丁目一番地であることは間違いない。だが、既に二丁目にも三丁目にも自衛隊増強という火が燃え広がっている。この問題を放置するならオール沖縄は大衆運動から見捨てられてしまうだろう。逆に、もう一度思いを共有できれば前進できる」

野党・中立は辺野古を「終わった問題」と扱う。

「野党自民党の多くの候補は、県議選では辺野古や自衛隊問題に触れなかった。県議会では辺野古推進、南西諸島の軍事化容認の態度を明確にして議論すべきだ。われわれは臆することなく対峙する。その議論は2年後の知事選にもつながる」(令和06年6月18日付沖縄タイムス23面)

インタビュー内容を要約すると、オール沖縄は辺野古新基地反対オンリーでなく、自衛隊増強の問題にも積極的に関わるべきだになりますが、それはつまり、自衛隊の問題(二丁目、三丁目)に相手(県政野党)が乗ってこなければ

われわれはどうしようもない

ことを暗に示唆しているんです。そして山城氏の “予言” は沖縄市長選での仲村氏の大敗で

見事的中します。

浦添市長選では現職の松本哲治候補に対し、対立候補が浦添軍港の問題を前面に押し出している構図ですが、ブログ主が見たかぎり浦添市民の反応は極めて冷ややかのように思えます。外部民であることを承知の上で、誤解を恐れずにハッキリ言えば、

前回の市長選でケリがついた案件を何時までもグダグダぬかすな

になりましょうか。たしかに選挙は何が起こるかわからないのが常ではありますが、自分たちにとって都合のいい案件に相手が全く乗ってこない時のオール沖縄勢力の脆さが今後の沖縄県政に色濃く反映されつつ来年の県知事選を迎えると予測し、今回の記事を終えます。