あけましておめでとうございます。旧年中は当ブログをご訪問いただきありがとうございます。本年度も読者の皆様のご期待に沿うよう質の高い記事を配信する所存であります。旧年同様変わらぬご愛顧の程よろしくお願いします。
さて、本年最初は調子に乗って新年度の沖縄タイムスの名物コラム〈大弦小弦〉の予測記事を掲載します。去年に一度予測記事を書いてみましたが、やはり”本物”には遠く及ばないことを実感しました。らしさを前面に出すと(タイムス独特の)無理やり感が無くなり、無理やり感を前面にだすと、今度は文章のリズム感がおかしくなります。前回の反省を生かしつつ”らしいコラム”を作成しましたので、読者の皆さん是非ご参照ください。
〔大弦小弦〕琉球は南海の勝地にて三韓の秀を集め…
「琉球国は南海の勝地にして、三韓の秀をあつめ、大明をもって輔車となし、日域をもって唇歯となす。この二中間にありて湧出せる蓬莱の島なり」。1458年に尚泰久王が鋳造させた釣鐘の銘文の一部で、琉球国が日本と中国と親密な間柄であったことを窺わせる内容である。
▾それが第二次世界大戦後にアメリカ軍が沖縄を占領すると、「太平洋のキーストーン」として軍事基地の建設が強行された。かつての「蓬莱の島」から「不沈空母」への様変わりは沖縄をとりまく国際情勢がいかに複雑怪奇であるかを物語っている。
▾平成の世を振り返ると、1990年のイラクによるクェート侵攻にはじまり、2001年の同時多発テロとそれにともなうアフガニスタン紛争、2003年のイラク戦争など歴史的な紛争の多発が印象的だ。昨今の北朝鮮の核開発問題や米中間の経済摩擦など現在進行形の問題も多い
▾米軍基地を取り巻く状況も変わった。東西冷戦が終了したにも関わらず、朝鮮半島情勢に備える名目で沖縄に米軍基地は居座り続ける。そして「沖縄の負担軽減」の掛け声とは裏腹に日米共同声明により普天間基地の返還移転先に辺野古が指定された
▾沖縄の民意は2014年および18年の県知事選挙で「新基地建設反対」を明確に打ち出した。にも関わらず安倍政権は日米共同声明の遵守の立場を崩していない。「日域をもって唇歯となす」と銘打ったかつての日琉間の友好関係はもはや過去のものになりつつあるのか。新年号の今年こそ日本政府が沖縄の民意に寄り添うことを強く望みたい。(あいろむゆうじ)