4月1日付毎日新聞(電子版 – 最終更新 04/01 19:24)に共同通信社が3月31日、4月1日の両日に実施した全国緊急電話世論調査の結果が掲載されていました。この手の世論調査の注目は内閣支持率(あるいは不支持率)と政党支持率との関連ですが、現時点では内閣支持率>自民党支持率>野党第一党支持率(立憲民主党)となっており、既存マスコミを騒がせている「森友問題」も世間は“冷静に見ているんだな”と判断できます。
ちなみに内閣支持率と政党支持率の関連で言えば、
・内閣支持率>与党支持率の場合は、官邸の力がつよい。
・与党支持率>内閣支持率の場合は、政党のほうがつよい。
・野党支持率>与党支持率>内閣支持率になった場合は、政権交代が起こる可能性が高くなる。
になりましょうか。ためしにNHK放送文化研究所が提供している政治意識月例調査のデータ(1998~2018)を利用して、第42回衆議院議員選挙(投票日は2000年06月25日)から、第48回衆議院議員選挙(投票日は2017年10月22日)までの内閣支持率と政党支持率との関連を纏めてみました。是非ご参照ください。
注目は第45回と第46回の衆議院選挙時のデータです。いずれも野党支持率>内閣支持率になっていることが分かります。第46回の野田内閣時の選挙は内閣支持率>与党(民主党)支持率になっていますが、当時の民主党が国民の皆様から物凄く嫌われていたことがこの事実からも確認できます。
では現在の安倍内閣の支持率は、共同の調査によると第47回衆議院選挙時のデータに似ています。仮にいま衆議院解散総選挙を行うと、自民党(と公明党の連立与党)と立憲民主党以外は壊滅的な結果になると予想されます。つまり1年以上も世間をお騒がせして森友問題は、(世論調査のデータ上からは)安倍政権に何のダメージも与えていないということです。不毛な努力を延々と続けてきた野党の皆様には「おつかれさまでした(棒)」としか言いようがありません。
ちなみに歴代内閣の内閣支持率推移のデータもありましたので、下記リンクサイトからご参照ください。
http://www2.ttcn.ne.jp/honkawa/5236a.html
このデータの注目は3つあって、1つは昭和の時代は大雑把に言って自民党支持率>内閣支持率であったこと、2つ目が小泉内閣の異様なまでの支持率の高さ(常時内閣支持率>自民党支持率になっていること)、3番目が芸術的ともいえる鳩山内閣の支持率の急降下直線です(笑)。
つまり昭和の時代は官邸よりも与党自民党の力が強かったこと、これが派閥政治の最大の弊害ではなかったかと推測されます。小泉時代になって初めて官邸主導で政権が運営できるようになったのです。やはり彼の功績は偉大なものがあり、現代の安倍政権も小泉時代の遺産をそのまま引き継いでいることが分かります。
鳩山内閣の支持率急降下直線には失笑を禁じえません。データ上でも歴史的な無能内閣であったことを裏付けており1年以内で退陣して日本国として本当によかったと思います。だがしかし、鳩山内閣は短期間とはいえ普天間問題を解決不能なまでに拗らせてしまった戦犯で、我が沖縄にとって歴史的な(人的)災害であったのは不幸の極みといわざるを得ません。今後このような内閣が出現しないことを祈りつつ、今回の記事を終えます。