エロと泥棒と貴族

今回は、台風10号襲来のため “やーぐまい(家籠り)” せざるを得ないブログ主が暇つぶしがてら厳選した “じわじわくる” 記事を2本紹介します。

最初は復帰直後の昭和48(1973)年9月、コザ市内(当時)で無許可でブルーフィルムを上映した業者が摘発されたニュースです。小さな記事ですが、当時のコザの雰囲気をうかがえる興味深い内容ですので全文を紹介します。読者のみなさん、是非ご参照ください。

支配人ら6人逮捕

コザ / “5重扉” しブルーフィルムを上映

【コザ】警察の許可を受けず飲食店を営業、ブルーフィルムを上映していたキャバレーをコザ署は28日午後11時すぎ捜査員30人を動員して風俗営業、公然わいせつ、税法、専売公社違反の疑いで手入れ、ブルーフィルム9巻、映写機、無線機、脱税タバコなどを押収するとともに支配人以下6人を逮捕した。

手入れを受けたのはコザ市胡屋十字路のキャバレー「大阪」。同キャバレーはコザ署からわずか50㍍しか離れておらず、

夜ともなるとトランシーバーを持った見張りをコザ署前に配置、警察の動向をチェック、

キャバレー内と連絡するなど巧妙な手口を使ってた。無線機、アンプ、ブザー、本格的なスクリーンなどの映画設備を持ち、キャバレー内は映画館と同じ。同キャバレーはこれまでいく度となく手入れを受け営業停止処分にされたが経営者がつぎつぎ代わり現在は経営者不明のキャバレー。

捕まったのは支配人のコザ市上地133、比嘉秀吉(27)、同山内755、玉那覇光喜(28)、同341、上江洲安彦(31)、同胡屋1053、仲本興市(25)、同仲本興健(22)、胡屋以下不詳、石垣照夫(20)の6人。同キャバレーはさる2月ごろ手入れを受け、営業停止処分を受け廃業した。

コザ署防少、刑事課の捜査員20人は「ブルーフィルムを上映している」との外人からの通報を受け、バールなど重装備して同キャバレーを急襲した。

この日は軍のペーデーとあって外人客約50人がブルーフィルムを見ていた。

なお同キャバレーはブルーフィルム上映のため表入り口を二重また裏手を五重ドアにして外部とブザーで連絡をとるなど厳重な警戒をしていた。

引用元:昭和48年9月29日付琉球新報夕刊3面

ちなみに我が沖縄には昭和35(1960)年ごろからブルーフィルムが本土から持ち込まれ、各地で上映されてアシバーたちの重要な財源になってました。ブログ主は当時の新聞に掲載された取り締まり記事を複数見たことありますが、ここまで厳重に警戒して上映会を開催していたのは初めて知りました。しかも外人さん相手に大盛況の様子で、当時のコザの繁栄ぶりをうかがうことができます。

財源確保もさることながら、いまもむかしもエロに対する男たちの熱い情熱は共通なんだと実感します。

次は “泥棒と貴族” のお話しです。

現金2万5千円盗まれる

那覇市のサロンに賊侵入

23日午前1時半から午後7時半にかけて、那覇市久茂地2の4の5、サロン

「泥棒貴族」

= ○○○○○さん(26)経営 = に賊が忍び込み、現金2万5千円、ウィスキー2万2千円相当が盗まれた。

那覇署の調べによると、賊は裏出入り口の新聞受けをパイプレンチで壊して店内に侵入。カウンター内を荒らし、現金や高級ウィスキー類を盗んで逃げた。

引用元:昭和52年8月24日付琉球新報夕刊3面

経営者には気の毒な話ですが、ブログ主は最初この記事に目を通した際、速攻で

これは “店名” のせいだ

と突っ込んでしまったのは内緒でお願いします。(終わり)