令和4年(2022)1月3日付琉球新報 DIGITAL 版に “オミクロン株拡大「米軍が要因」/ 沖縄知事、管理体制を批判 / 県民に警戒呼び掛け” と題して、玉城知事が米軍の感染症対策に対して強い憤りを表明した旨の記事が掲載されていました。
事の発端は先月17日、米海兵隊基地キャンプ・ハンセンで働く日本人基地従業員1人が沖縄県内で初めて「オミクロン株」に感染し、プラス米本国からキャンプ・ハンセンに到着した隊員99人の感染が確認され、基地内でのクラスター発生が報じられたことです。
その後も在沖米軍内での感染拡大が止まらず、琉球新報の記事によると、12月31日に98人、1月1日に235人、同月2日70人と多数の陽性者を確認、それを踏まえて玉城知事が「米軍の感染防止対策と管理体制の不十分さを示すものと言わざるを得ず、激しい怒りを覚える」と米軍の対応を厳しく批判しました。
12月も中旬までは県内におけるコロナ感染は極めて低い水準に抑えられていましたので、玉城知事の怒りはごもっともかもしれませんが、実際のところ沖縄県民は米軍クラスター案件を重大事に受け止めていなかった節があります。その傍証としてブログ主の体験をお話しますが、年末年始にネタ探しのために頻繁に外出しました際に一番印象的だったのが1月2日の浦添パルコの駐車場利用率が90%を超えていた点です。
びっくりしたのが浦添パルコ内の映画館を訪れる人の多さです。その光景だけでも去年の同時期に比べると県内の人流は桁違いに増加していると痛感しました。
参考までに1月3日の普天間神宮の様子です。今年は参拝者の行列が見られました。
・キングタコスも参拝客と観光客で行列ができていました。
・ちなみに令和3年(2021)1月1日の普天間神宮の様子です(ほぼ同じ場所からの撮影です)
・民間でもノーマスクで密になって飲み会をしているグループもいました(1月5日08時12分の投稿です)。
これら一連の動きからも、沖縄県民(および県外観光客)は県の発表する米軍クラスター案件を軽視していた可能性が高いです。
ならば昨日からのコロナ感染者数の急拡大は沖縄県民の油断にあるかといえば実はそうではなく、県が先月25日からPCR検査等を無料で受検する施策が、結果的に感染者数の激増につながったと考えています。その理由は25日前後から徐々に感染者数が増え始め、県の指定する検査センターが営業開始の3日を起点に感染者数が激増しているからです。参考までに先月24日以降の公式感染者の推移は下記参照ください。
令和3年12月24日 33人
令和3年12月25日 29人
令和3年12月26日 18人
令和3年12月27日 5人
令和3年12月28日 29人 ← この日あたりから検査センターの年末業務が終了しています。
令和3年12月29日 27人
令和3年12月30日 50人
令和3年12月31日 44人
令和4年01月01日 52人
令和4年01月02日 51人
令和4年01月03日 130人 ← 検査センター業務開始日
令和4年01月04日 225人
令和4年01月05日 623人
つまり1月3日以降の公式におけるコロナ感染者数の激増は、年末年始のコロナ禍の報道を見た人たちが、業務開始日の3日以降に検査センターに殺到したために起こったのです。実際にブログ主も4日に松尾の民間検査センター(抗原定量検査法) “ACT Lab” の混雑ぶりを見てきました。後から聞いた話によると、年末に比べて5倍以上の人数が訪れてしまい、その結果営業時間は9時から18時にも関わらず12時で受付が終了されました。そして検査結果も本来であれば90分前後で出るはずですが、この日は6時間以上もかかっています。
つまり何が言いたいか。それは県がPCR検査の無料化を実施しなければ、年末年始の感染者数は50~100人の水準で止まっていた可能性が高く、検査料を無料にすることで無自覚陽性者を大量にあぶり出してしまい、それによって新型コロナウィルス感染検査センターと医療関係者、および県民にパニックを与えてしまったのです。まさに
わーばぐとぅ(余計なこと)
とはこのことです。ここまで騒ぎが大きくなってしまったらもはや手の打ちようがないと思いつつも、今からでも遅くはありません。ハッキリ言って、
PCR検査の無料施策を中止すべきです。
今回の騒動のきっかけは確かにキャンプ・ハンセンのクラスター騒動ですが、パニックを極限まで拡大させたのは県の施策で間違いありません。去年は玉城知事の言動、および中部病院案件で新型コロナウィルス対策における県庁の “無能感” が全沖縄にまん延してしまいましたが、今回のやらかしによって
オミクロン株を超えるスピードで玉城知事および県庁の “無能感” が県内で急速に再拡大している
ことは疑いの余地がないと断言して今回の記事を終えます。