今月1日付琉球新報発 “米兵が記者に銃口を向けた” 案件は、報道から5日を経過して予想の斜め上を行く面白い展開になっています。この事件に関する記事は全2回で終わる予定でしたが、在野の “香ばしい輩” がブログ主の知的好奇心をくすぐるネタを提供しつづけてますので、とりあえず気が済むまで記事をアップします。
前回の記事で、琉球新報の飛ばし記事は “釣り” である可能性に言及しました。実際に釣られた輩が多数見受けられますが、実は彼等には共通点があります。以前に当ブログでも指摘しましたが、「カメラマンに銃口が向けられた」と「カメラマンに銃口が向けられたとカメラマンが言った」の区別がついていないのです。つまり事実と伝聞を厳密に区分けできない輩が琉球新報社の報道を鵜呑みにしているのです。
この点はハッキリ指摘しておきますが、琉球新報社のカメラマンが「銃口を向けられた」と主張する分には問題ありません。ただしそれはあくまで彼の “主観” であり、客観的事実ではありません。だからこそ、新報社は彼が提供する証拠(写真類)を厳密にチェックした上で報道しなければならないのです。
事実と伝聞の見極めはマスコミ業界では常識以前の話とブログ主は思っていましたが、残念ながら我が沖縄では
米軍由来+権力批判=購読者受け
の公式が成り立つ事例ならば、ファクトチェックは不要との悪しき慣習があります。その典型例として、今月4日付沖縄タイムス社の大弦小弦全文を書き写しましたので、読者の皆さん是非ご参照ください。
大弦小弦
カメラで銃と向き合った。戦場ではなく那覇市のど真ん中、那覇軍港でのできごと。1人の米兵がフェンスの外にいた琉球新報のジャン松元記者(59)を見据え、銃を構えた。
▷「やはり恐怖心もあった。でも沖縄の記者として、現実から目をそらすことはできなかった」と松元さんは語る。シャッターを切り続けた勇気によって、沖縄の異常な日常の写真記録が残る。
▷米軍は2月にも軍港で「NO WAR(戦争反対)」のプラカードを持つ市民に銃で対峙する訓練をした。報道とデモへのむき出しの敵意。その銃口は沖縄に向けられている。
▷日本政府は抗議して自国の民主主義を守るのではなく、米軍と一緒になって敵視している。陸上自衛隊が「予想される新たな戦いの様相」の例として「反戦デモ」「報道」を挙げた資料が、国会で明らかにされた。
▷防衛省は反戦デモについては撤回したが、「事実に反する意図的な報道」は該当すると今も説明する。何を認定するかは政府次第。資料が記者勉強会で配られた2年前の時点で、メディアが民主主義の危機を報じるべきだった。
▷権力者が主権者の意思という鎖をちぎろうとする。敵の脅威をあおり、反戦デモや報道に「回し者」のレッテルを貼って無効化を試みる。あまりにもロシアと酷似している。日本の現実からも、目をそらせない。(阿部岳)
今回のコラムも “カメラで銃と向き合った” のキャッチフレーズから始まり、琉球新報のカメラマンの勇気ある行動により沖縄の異常な日常が浮き彫りになった点を主張、そこから日本政府が米軍と一緒になって報道陣を敵視する現状を嘆き、”日本の現状はロシアと酷似” のオチで〆る、彼独特のテンプレ記述です。
だがしかし、新聞記者が琉球新報カメラマンの主張に疑いを持たず(つまり事実と伝聞の区別ができない)、米軍由来マウントから “日本の現実はロシアに酷似” と論理を飛躍させても、我が沖縄の一般住民(購読者含む)にはピンときません。ハッキリ言ってコラムを読み終わった感想は、空条承太郎さんの言葉を借りると、
とてもアワれすぎて何も言えねえ
の一言であり、今回の “米兵が記者に銃口を向けた” 案件を信じる輩は沖縄タイムス社所属の You Tuber さんと同じレベルだろうなと痛感して今回の記事を終えます。