【速報】第100回全国高等学校野球選手権記念沖縄大会(興南vs八重山)

本日(7月8日)、ブログ主は沖縄セルラースタジアム那覇で開催された高校野球、興南vs八重山の試合を観戦しました。これで夏の県予選第1シード(KBC学園未来沖縄)から第4シード(沖縄尚学)まで、シード4校の公式戦を見ることができました。結論を言えば、今日の試合は興南高校が3-1で八重山高校に辛勝しました。ただし今回試合を観戦するなかでちょっと面白いことに気がつきましたので、当ブログにて紹介します。野球好きの読者のみなさん、是非ご参照ください。


八重山高校は右腕の川原光君(3年/170㌢)、興南は左腕の宮城君(2年/173㌢)が先発です。両投手ともストレートが走っていて川原君は最速139㌔、宮城君は140㌔を計測しました。川原君に関しては八重山vs美里工の試合も観戦済みで大まかな特徴は掴んでいたのですが、今日は間違いなく初戦よりも状態がよかったです。

宮城君に関しては、去年に比べると平均球速が2~3㌔はアップして、右打者に食い込むストレートと変化球のキレも増したイメージです。ただし試合では宮城くんの方が先に降板してしまいます(4回0/3イニング1失点、48球)。その理由を図解してみるとこんな感じになります。

上図で説明したとおり、今日の宮城くんは①の軌道にストレート中心の単純な投球になってしまい、そこを八重山の打者が狙い打ちします。その作戦がはまって3回に1失点、4回は2連打を食らって降板してしまいます。3回裏の攻撃で宮城くんがスクイズをミス、その結果ゲッツーでチェンジになったことも影響していたのかもしれません。

問題は左投手に対しての①の軌道の判定が辛かったことです。これが右投手の川原投手になると次のようになります。

上図が川原投手の球筋ですが、左打者に対しては①の軌道、右打者に対しては②の軌道メインの配球でした。川原投手は極端なインステップで打者から見るとショートの方向から投げ込んでくるイメージです。130㌔後半のストレートが横から飛んできて、しかも①の軌道の判定が大甘のため、興南高校の左打者が全滅状態になります。しかもスタメン9人中6人が左打者ですから、3回裏に相手の守備の乱れで3点貰った以外、打線はいいところ全くなしの状態です。(強いていうなら4番の右打者塚本くんが目だったぐらいでしょうか)

軌道によって判定が甘いところと辛いところがあり、それを最大限に活用した川原君は8回1/3イニング3失点の好投で、判定が甘くなる筈の②の軌道中心の配球ができなかった宮城君が5回持たずノックアウトという結果となりました。ちなみに4回から登板した興南高校2番手左腕の藤木君(3年)の場合は、下図を参照ください。

左投手の①の軌道は判定が厳しくなるにも関わらず(①の軌道に)スライダーを連投して、しかもストライク判定を連発させる神投球を披露します。宮城くんとの違いはときたま②の軌道にもストレートを投げ込んで、相手の目をそらす工夫をしていたことです。だがしかし、あれだけ辛いストライクゾーンに変化球を投げ込んでカウントを稼がれたら八重山高校の打者はどうしようもありません。今度は八重山の打者がお手上げです。9回まで悠々投球をした印象すらありました。

いかがでしょうか。この試合では審判の判定を最大限に利用した八重山が興南打線を封じこめた内容で、3回の守備の乱れがなければおそらく勝っていたと思われます。そして3回に逆転したあと、宮城君を見切って藤木くんにスイッチした興南高校の我喜屋監督の判断も凄いの一言で、ブログ主はこの試合を観戦できたことに満足を覚えつつ、この記事を纏めている次第であります。