今月13日、沖縄タイムス社社員らが持続化給付金の不正申請を行ったニュースが大々的に報じられ、その後タイムス社長が急遽謝罪会見を行う事態となりました。金融詐欺に沖縄タイムス社員が関わった案件、いわゆる反社会的行為によって社長が謝罪に追い込まれたわけですが、タイムスの歴史においてもこのような不祥事は初めての出来事かもしれません。
持続化給付金の不正申請については9月10日から紙面をにぎわしていましたが、まさか自社の社員が絡んでいたとは夢にも思わなかったのでしょうか。13日以降の紙面を細かくチェックすると、そのあたりの苦悩が伺える編集になっています。この案件の詳細に関しては後日改めて言及するとして、今回は沖縄タイムス社がどのように報じたかを紹介します。読者の皆さんぜひご参照ください。
新聞の紙面構成には一定のルールがあって、(社として)読者に読んでほしい記事の配置は決まっています。ブログ主が思うに、たとえは1面の場合は以下の記事配置になります。
見開きの場合は、以下のようになります。
参考までに9月10日の紙面を見ると、米軍の泡消火剤の大量漏出の記事が、1番目に配置されています。つまり、新聞報道は “報じたこと” プラス “どこに記事が配置された” がが重要なわけでして、この観点から自社社員の不正申請案件をタイム社がどう取り扱ったを検証します。
9月10日の時点で、那覇市の税理士が給付金不正に関わった疑いの記事が以下の場所に報じられていました。
翌日(11日)の紙面(総合27面)を見ると、1番目立つ場所に配置されています。このあたりからタイムス側がこの事件を “重大視” していることが分かります。
同月12日の総合23面です。続報ですが、2日連続で1番目立つ場所に配置されています。つまりタイムス側としては記事に絶対の自信をもって掲載しています。
同月13日の総合25面です。持続化給付金の不正申告に自社社員が関わっていた件が発覚したわけですが、配置は3番目で、なぜか目立つように辺野古の記事が1番目に掲載されています。この時点でタイムス編集局がパニックに陥ってたことが伺えます。
同月14日の1面です。社長の謝罪記事を掲載していますが、場所は3番目で、しかもドローン記事や大坂なおみ選手の写真よりも小さな写真を掲載したあたりがじわじわきます。
同日の社会18面です。さすがに(読者から猛烈な突っ込みがあったのか)2番目に配置し、詳細な記事を掲載しています。だがしかし、見開き部分で1番目立つ場所を避けているあたりに編集局の苦悩が伺えます。
本日(15日)の総合26面ですが、”武富社長謝罪全文” を紙面の目立たない部分に配置しているあたりにタイムス社内の “大人の事情” を察することができます。
いかがでしょうか。ピンチのときに “本性” が出るのは個人も法人も同じですが、本案件で
すがすがしいまでに企業防衛に徹した沖縄タイムスの営利体質
には苦笑いが止まらないブログ主であります。