3月4日未明、琉真会アジトに銃弾が撃ち込まれて以降、連続発生した短銃発砲事件。さる18日には、ついに暴力団1人が射殺され、1人が重傷を負う事件が発生、住民の不安はつのるばかりだ。
火を噴く暴力団抗争。市民を巻き込む危険性をはらみながら、抗争事件はエスカレートしていく。この事態を重視した県警は〔5月〕19日、県警始まって以来という総動員体制で暴力団取り締まりに乗り出した。その陣頭指揮に当っている太田利雄刑事部長に、警察の取り締まり姿勢を聞いてみた。
長期的に根強く / 後難を恐れず県ぐるみで
– 警察が警戒している中で、短銃発砲事件が続発している。警察の取り締まりはどうなっているのか。
– 太田刑事部長 19日以降、刑事部だけでなく、防犯部や警備部、交通部をすべて暴力団取り締まりに投入している。専従捜査員は318人だが、そのつど、いつでも応援できる体制で臨んでいる。住民の不安を取り除き、期待にこたえるためにも、あらゆる法律を適用して、暴力団を逮捕する方針だ。
– 総動員体制と言うが、従来の取り締まりと違う点は。
– 刑事部長 暴力団は捜査二課が担当しているが、すでに同課を中心に捜査一課、防少課、保安課、警備課、外勤課もすべて、暴力団抗争事件に投入した。捜査二課は従来通り、暴力団事件捜査に当たる。その他の課は暴力団警戒を実施するほか、各課でできる方法を駆使して、総合的な作戦を展開する。例えば防少課は、暴力団の経営するバーを摘発して、資金源の封圧をねらう – など、各課で出来る取り締まりがあるはずだ。
– 具体的な暴力団対策は… 。
– 刑事部長 暴力団をなくすには3つの基本がある。1つには幹部を含む暴力団員の大量検挙だ。暴力団員を逮捕し、社会から隔離することによって、組織の分断を図り、壊滅に追い込む。暴力団員も1人になると、非常に弱い人間だ。第二は銃器の押収。現在、武器専従班を編成して、その捜査に当っている。そして最後に、資金源の封圧だ。ゆすり、たかり、バクチのほか、ナワ張り料など、直接、住民とかかわってくるだけに、住民の協力が必要となってくる。
– 暴力追放の住民運動について。
– 刑事部長 住民を巻き添えにさせないために、警察は厳戒態勢で臨んでいる。警察は住民のタテとなって暴力団を取り締まるので、住民も暴力団がはびこらない社会になるよう、協力して欲しい。暴力団は砂糖に群がるアリのようなものだ。住民が弱みを見せると、暴力団はそこにつけ込んでくる。(おわり)
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