【備忘録】琉球新報と沖縄タイムスの記事を比べてみたわけさぁ

既報ですが、先月30日の県議会一般質問で、照屋守之県議(沖縄・自民)の質問に対し、沖縄県病院事務局の我那覇仁局長は県立中部病院で、5月25日以降に計50人(入院患者36人、職員14人)の新型コロナウィルスのクラスターが発生したことを明らかにしました。

そして翌1日、中部病院内で記者会見が開かれ、玉城和光院長が6月11日に会見しようとしたものの、県病院事務局の指示で取りやめになったとの認識を明らかにしました。ここまでの経緯はネット上のニュースでも確認できますが、今回は試しに沖縄2紙が同案件をどのように報じたかを検証してみました。

琉球新報

・令和3年7月2日付1面において “会見中止「県の指示」” との題字で中部病院の記者会見を報じています。題字のセンスが秀逸です。

・”県と病院に不信感 ” の題字の記事は明真南斗・大嶺雅俊記者の署名記事です。ブログ主も感服せざるを得ない切れ味するどい解説記事です。

・27面にも中部病院と県病院事務局の主張を併記しており、両者の認識の食い違いがわかりやすく記載されています。

琉球新報の記事をチェックすると、クラスター情報の隠ぺい疑惑に対して、中部病院側の主張を全面的に信用することなく、県病院事務局の主張を併記し極めて冷静に報道しています。その証拠に社説や金口木舌では同案件についての言及はありません。ただし YouTube で中部病院の記者会見を生中継するなど “政治権力の監視” を全うしようとする記者たちの真摯な姿勢は素直にすごいと思います。

沖縄タイムス

・一面の “総事務局長 自粛した離島へ” の題字には思わずずっこけました。中部病院の記者会見記事は一面に掲載されていません。

・2面に琉球新報に比べるとボリューム少なめの記事が掲載されていまいた。注目は “一般記事” として報道している点で、琉球新報の署名記事に比べると格落ち感が否めません。

・27面にも “クラスター異なる見解” の題字で記事を掲載していますが、その隣に吉住局長の記事を掲載しているのは、中部病院の記者会見の報道の印象を “出来る限り薄めたい” との下卑た本音を感じざるをえません。その証拠に吉住局長の離島訪問は同日の琉球新報には言及されていません。

・ただし沖縄タイムスの良心を感じたのは社説で中部病院のクラスター案件に言及したことです。

いかがでしょうか。ブログ主は今回の案件は琉球新報が真摯に取り組んでいる印象を受けました。沖縄タイムスも情報隠蔽疑惑を問題視していますが、残念ながら出来る限り印象を薄めたい下心を感じざるをえません。最後に(沖縄タイムスの)吉住啓作局長の離島訪問記事は “署名記事” で、

担当は社会部の城間陽介、編集委員阿部岳

であることを記述して今回の記事を終えます。